デモの件です。論じたいというより自分の感情を整理するために書いてるから、もし読むならそうやって書かれた、という点は留意してほしい。言いたいのは下記。
・面白かった。決勝行くのは納得。
・でもいま地上波でやるにはセンシティブだと思ったので、ある程度批判があるのは仕方ないと思う。
・話題のツイート見たくねえ~!
結婚の挨拶に来た人がデモをするヤバいひとだった、というネタで、この時点で若干ひやひやしていたんですが、そんな俺でも笑えたので、相当面白いネタだったと思います。
これが劇場とかYoutubeで見たんなら何の憂いもなくゲラゲラ笑ってたと思うんですが、地上波というマスな場だと、何も考えずに笑う、というのが自分には厳しかった。
ここ数年、海外の痛ましいニュースは連日報道されている。その中には、デモをする市民たちの映像もあった。恥ずかしながらあまり詳しくはなく、適当なことを言えないのであくまでも自分でどう思ったかを書くと、切実な理由でデモをしなければならない人々が取りざたされている現在において、デモをする人はヤバい、とも見えるネタはやっぱり危ないと感じる。
もちろん、ネタの中での吉住は、火炎瓶を投げたりと、やや古めかしくて過激なキャラクターを演じており、「デモをするようなやつはみんなヤバい」という描かれ方ではない。「結婚の挨拶に来たヤバいやつはデモをやってる」という感じ。別の例を考えるなら、警察官なのにすぐ銃を撃とうとするやつを見て笑う、みたいなものなんだとは思う。
ただ、見て笑った人全員が、デモをすること自体はなにもおかしくない、と考えているかと言えば、そんなことはないだろう、と思う。パナマでデモをしていた活動家が射殺されたとき、銃を撃った殺人者を褒めたたえていた人はいっぱいいて、そんなツイートに4、5桁のいいねがついていた。デモをしていた人は殺されてもいいと考え、それを隠さないでいられる人が単純に考えても数千人以上いる。「デモをしている=ヤバい」ではないと受け入れられるような土壌は育ち切ってはいないと思う。ぶっちゃけネタがどうというよりパナマの件でSNSにいる人について思うところがあるという方が近いかもしれん。
だからやっぱり、あれはいま、地上波でやるにはセンシティブ気味なネタだったと思う。少なくとも批判意見がでるのは仕方ない程度には。
とはいえ、じゃあ悪いのかというと、そこまでではないかなあというのも率直な感想だ。俺は批判的ではあるけれど面白かったと思ったし、吉住やテレビ局が謝罪をすべきかといったら別にそんなことはない。先述したとおり、ネタというよりはそれを受け取る方に不安があったのだと思う。当然ながらデモをやってる人に失礼、というわけでもない(それ言い出すとたいていのお笑いは題材になった人たちに失礼になっちゃう)。願望を言えば、地上波では別のネタやってほしい、とは思うけれど、あのネタは二度とやってはいけない、とまでは思ってない。俺は見たくないけれど、見たい人が見る分には別にいい。
で、ただ。デモのネタ関係なくR-1グランプリの感想を調べようとすると、すごい嫌な物言いのツイートが出てくるんですよ。ああいう話し方のツイートが話題のツイートとして出てきてしまう時点で、俺にとって吉住はしばらく避けねばならない名前になり、R-1の感想は探しにくくなってしまいましたとさ。めでたくなしめでたくなし。
R-1グランプリ、今年はみんな面白くてよかったと思います。