暮らしていると、心の中に「こうだったらいいのにな」という気持ちが、ふと生まれることがある。
もっとお金があったら。
この作業が、もっと楽になったら。
あの人と、もっとうまく話せたら。
その気持ちを叶えようと、僕たちはがんばる。
仕事をしたり、新しいものを作ったり、誰かと一生懸命ことばを交わしてみたり。
でも、ときどき、その「こうだったらいいのにな」が強くなりすぎて、苦しくなることがあるのかもしれない。
人との関係が、なんだかギクシャクしてしまうとき。
その始まりは、相手への小さな「こうしてくれたらいいのに」という期待だったりする。
その期待と、目の前の現実との間に挟まれて、悲しくなったり、怒ってしまったり。
そんな気持ちのぶつかり合いが、また新しい悲しさを生んでしまう。
もしかしたら、相手に何かを望む前に、少しだけ立ち止まって、自分の心の中をのぞいてみるのがいいのかもしれない。
この「こうだったらいいのに」は、どこから来たんだろうか、と。
相手にそれを望むのは、当たり前のことなのだろうか、と。
そうやって、自分の期待を見つめなおして、少しだけ形を変えてあげたらいいのかもしれない。
現実に、そっと寄り添うように。
そんなふうに、自分の心と静かに向き合える人が増えたら、世界はもう少しだけ、穏やかになるのかもしれない。
こうして、結局僕も、「こうだったらいいのにな」と世界に期待してしまっているのだけれど。
おわり。