大学のデイリーで大学4年生の就活相談に乗る。たまに、SNSとか口コミでわたしを見つけて、連絡してくれる後輩がいる。きっと、それだけで、とても勇気がいることだろうと思うので、あまり厳しくフィードバックはしないようにしている。正直、ものによっては、つべこべ言わずやれよと言えてくる気持ちもあるが、多分、わたしはつべこべ言わずやれる環境と体力があっただけだから。
卒論と就活。彼女の語る就活における価値観は、誰かが書きそうな「自由」、「ワークライフバランス」、「安定もほしい」、「ネームバリュー」みたいなことが並んでいる。「よくあるマルチに引っかかるタイプだ」と思いながら説明する彼女を眺める。
かつてのわたしもそうだったのかな。大学受験を考える時は、多少、そういう気持ちもあったかもしれない。だって、実際に大学生に会ったこともなければ、大学に行ったこともない。就活だって、きっとそうだ。実際に大企業で働いている人、ベンチャーで働いている人に会ったことがない。だから、結局、ネットにある情報で判断をするしかない。手触りを持って、その対象を考えることができないと、何かしらの評価軸に頼るしかなくなるのかもな。
結局、「正直、誰でも書けそうな言葉しか並んでないよね〜〜あはは〜〜〇〇さんいい人だから、ウケる言葉書いてると思うけど、中指立てるくらいでいいっすよ〜〜うへへ〜〜」みたいなことを言ってしまった。我慢できず。エゴだったかな。
さいごは、そこに並んだ、「自由って何?」「安定って何?」って考えてみてということを宿題として渡して終わった。なんか、多分、彼女に必要なのは、そこじゃないと思いつつ、切り口が難しかった。慶應の〇〇ちゃんと比べなくてもいい。大したことない。周りの学生よりは、少しばかり都会の就活用語ばっかり覚えて、何もおもしろくない。なんで、迎合しちゃうんだろうな。不安だもんな。
個人的にうまく話を聞いてあげられなかった申し訳なさが残る。時間も短かったから仕方ないけど。
何がよくなかったのかを考えると、多分、話を聞いてほしいだけで、本当の意味で、問われたいわけじゃなかったのが大きい。うーん、難しい。そもそも他人の評価軸で生きてる人の相談に乗るのが苦手だ。そんなのぶっ潰せばいいのに。