単に「やめた」「はじめた」というだけの記録である。
皆さまを鼓舞したり啓発したりしようなんて意図はない。
やめた習慣その1、Duolingo。
スマホで使える語学学習アプリだ。
連続学習日数や全世界のユーザーランキングを指標に、ゲーム感覚で学習継続を促す仕組みになっている。
毎朝・毎夕、通勤時間に使用していた。広告を消すため、課金もしていた。
ランキングは「リーグ」に分かれ、上位にランクインすれば上のリーグに「昇格」し、ランキングが下位なら下のリーグに「降格」する。
上のリーグになるほど「やる気」のあるユーザーが多く「競い合う」のが大変になるので、私は常に上から二番目のリーグを維持するようにしていた。
しかし最近その制度のアップデートがあり、降格の基準ラインが上がって、同じリーグに居続けるのが難しくなった。
そのことがストレスになったのと、近く資格試験があるので、通勤時間をそちらの学習に充てたいという理由から、思い切ってDuolingoをやめた。リマインド通知がうっとうしいアプリなので、立ち上げるのをやめただけでなく、スマホから削除した。今週頭のことだ。
連続学習記録は1526日だったらしい。約4年だ。
ご経験のある方もおられるかもしれないが、長く続けた習慣をやめるというのは、それはそれで一つ、思い切りが要る。
毎日何かを継続しているということが、生活のリズムの維持にもなっていたし、自信にもなっていた。
とはいえ、4年だ。「自信」の根拠としては、もう充分ではないだろうか。
Duolingoでの学習を通し、英語を忘れずに済み、中国語を思い出し、韓国語の「さわり」に触れ、フランス語の基礎を知れ、ドイツ語のすご〜〜〜く基礎を学ぶこともできた。ちゃんと得るものを得ている。
いざやめてみると、通勤時間にランキングを気にしたりタイムトライアルで自分自身に緊張を強いたりがなくなり、随分と余裕のある気持ちで過ごせるようになった。
何事もやってみないとわからないが、「やめる」というのも一つの行動であり、「やめてみないとわからない」こともあるのだ。
やめた習慣その2、朝の連続テレビ小説視聴。
元々観たり観なかったりしていたのだが、ここ数作は連続で視聴していた。それをやめた。
本放送は朝8時からだが、BSでは先行して7時半から放送される。その前の7:15からは、過去の朝ドラの再放送もしている。
なので、7:15、BSで過去作再放送 → 7:30、BSで現行作 → 7:45、地上波で地方のニュース冒頭の天気予報を見て出勤する、というのがルーチンとなっていた。それをやめた。
前期の再放送『カーネーション』と前作『おむすび』はとても好きで、楽しく観ていたのだが、今期の再放送『チョッちゃん』は昔の作品すぎて「昭和」の演出が気になってしまう。現行作『あんぱん』も、「面白さ」をあまり感じられないまま、「史実」からの大幅な改変が行われていることを知ってしまい、視聴のモチベーションが下がってしまった。もちろん「朝の連続テレビ小説」は「小説」であり「創作」なので、全てが史実に則っている必要はなく、私が好きだった過去の作品でも「脚色」はたくさん行われていたので、ただの個人的な好みの問題だ。
せっかく『おかえりモネ』から大好きな今田美桜ちゃんの朝ドラヒロイン作なので、応援したい気持ちもあったのだが、ドラマ視聴は自分に負荷を強いてまでする「趣味」ではないな……と考え、思い切ってテレビを付けずに朝を過ごしてみることにした。
これにより、今までは横目でドラマを観ながら身支度と化粧をしていたのを、真正面から鏡に向かってするようになった。天気予報はWebで確認するようになった。
外部的な「タイマー」が無くなったため、正直なところ、時間の感覚は薄まり、出勤はギリギリになるようになったが、今春からの名古屋市営地下鉄のダイヤ改正もあってか、会社への出勤時刻は変わらずに済んでいる。
Duolingoをやめたこともそうだが、外部的な緊張の要素が無くなった分、自分の中に「タイマー」を持たなければいけなくなった。それが今春からの課題かな、と思っている。
やめた習慣その3、毎日のカフェランチ。
私の会社の近くに1件、おしゃれで美味しいカフェがある。
ランチメニューは週替わりで、私は入社時から毎週月曜、ランチに訪れ、「その週のファーストユーザー」となっていた。
入社から数年間、私の部署の女性社員は、私の他にもう一人、すでに別の「行きつけ」を持っている方しかおらず、私はずっと「毎週月曜ソロランチ」を習慣にしていた。
数年前に、若手の女性社員が転勤してきた。私と違ってオタク性やサブカル性の全くない、社交的で「普通の」感覚を持った子だった。
座席が向かいになり、「お昼どうしますか?」と声を掛け合い、特に約束したわけでもなく、何となく毎日、二人連れ立って外に食べに行くのが習慣化した。
私が毎週訪れていたカフェを彼女も気に入り、店の定休日以外は毎日そこでランチをするのが「お決まり」になった。
世の中の「女子」は、このようにして「集団行動」をするのだなぁ、と実践を通して学ぶような数年間だった。
この春、彼女は再び転勤し、私はまた一人になった。
惰性で「毎日カフェランチ」を続けても良かったが、出費と体重の増加を抑制するチャンスと考え、これまた少々思い切って「毎週月曜ソロランチ」に戻した。
店としては「毎日2人来ていた」のが「週に一度1人来る」になるので、減数にはなるだろうが、カフェには私以外の常連が何名もおり、新規客も途切れずに現れているので、「義理」よりも「我」を優先させてもらうことにした。
はじめた習慣、BASE BREAD。
正確には「はじめた」ではなく「再開した」である。
「毎週月曜ソロランチ」をしていた頃、他の曜日はどのように昼を済ませていたかというと、BASE FOOD社が出している「完全栄養パン BASE BREAD」とレトルトの味噌汁を食べていた。それを再開した。
数年ぶりに食べてみると、レシピがアップデートされて、美味しくなっている。新規フレーバーや限定フレーバーも増えた。
「栄養を摂るためのもの」であり、食べて楽しいとか嬉しいとか幸せになるという類のものでは決してないが、これであれば昼食時間は15分程度で収まり、昼休みの残りの時間を、ぼーっとしたりインターネットでリフレッシュしたり、資格試験の勉強をしたり、軽く昼寝をしたりして過ごせる。
残業時間にお菓子を食べたり、夕食後夫と一緒にアイスを食べたりしてしまうので、今のところ体重にはあまり反映されていないが……そちらはまぁ「追々」であろう。
「春だから」と何か始めるというのをあまりしてこない人生だったのと、自分なりにちょっと思い切った「やめる」決断をしたのとで、記録のために(本当に自分のための記録として)書き残しておく。