炎の中で踊れる人はそこが火の中だと気づけない

しまぶ
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炎の中で踊れる人はそこが火の中だと気づけない

諸事情により自分は火の中にいる。火の中にいると気づいたのは最近だ。

そこには5月くらいからいたので半年は火の中にいることになる。

人は、燃え盛る炎の中にいても、それが火の中だと気づかないことがある。自分がそうだった。そして最近、ようやくそれに気づくことができた。

なぜ火の中にいると気づけたのは最近なのか。今ふりかえるとそこは最初から燃えていたのに。。

炎の中で踊れる人間

自分は炎の中で踊れる人間なのだと思う。

さすがにエンジニアとして15年くらいはやってきているので、今まで炎上案件なんてものはたくさんあった。

見積もりミス、パワハラ、理不尽な要求、、正直、今より大変な目にあってきたことはある。

そこで自分は何をしてきたかというと、炎の中で踊り続けていた。朝早くきて自分のタスクをし、定時中は雑務をこなし、それが終わったら自分のタスクをやり最終電車で帰る。ときには休日出勤もおこない、1x日連勤なんてのもあり、今月はx日しか休んでなかったわーなんて、さも地獄のミサワしかり武勇伝のように語っていた。

つまり、根性で何とかしてきた人間なのである。それでなんとかなってきたのである。

これの何がいけないっていうのは、ここでつぶやいているように

炎上案件に携わると悲劇のヒロインを演じられて、ときに称賛を得てしまう。というところにあると思う。間違った成功体験を生んでしまうのだ。

炎上案件は成長のための必要悪というのも分かる。どうやってタスクをやっつけていくか、どうやって振る舞っていくか、どうやってやったふりをするか(?)、チームとしての一致団結感の学びしかり分かる。分かるが、そうではないのだ。(もしかしたら一度は体験したほうがいいのかもしれんが)

炎の中から一度抜け出し、俯瞰して、そこは火の中だと認識することが大事なのだ。

燃えている炎はこれ以上拡がらないように、そもそも燃えないように、あの手この手を打つのが大事であり、そういった動きのできる人が称賛されるべきなのだ。

前に進めなきゃいけないのは分かるが、そのまま炎の中に居続けるのは誰も彼もが不幸なままなのだ。ヤケドしながら作業をし続けていることに疑問を持たなければいけない。炎の中で踊れる人間は、それと同時に、火の中に人を誘い込んでいる、放り込んでいる自覚を持たなければならない。

今の状況を俯瞰して、冷静に立ち止まり、計画を再度練り直すことが大事なのである。

ときにはヘイトやディスりも受けるでしょう、叱責や呆れられることもあるでしょう、評価を下げてしまうこともあるでしょう。

だがそこにそういったエゴや見栄みたいなのはいらない。

現状を理解し、ぶつかることを恐れずきちんと話し合いをし、今何をすべきなのかを考えて、いったん立ち止まる、スピードを緩める決断をする勇気がときに必要なのである。

自分にはそれができなかった。

なぜ気づけたのか

「そこは火の中ですよ」と言ってくれる人が来たから。それだけ。

あまりにも苦しい状況だったので、外部や他のチームから人を増やした。

その方たちは、冷静に今のままでは破綻する、破綻していると言ってくれた。その上で、周りを巻き込みながらどう進めていけばいいのか考える時間、立ち止まる時間をくれた。

そこで自分は気づけたのである。

「あぁ、自分は火の中にいたんだ。炎の中で踊り続けていたんだ。炎の中で耐えて踊れる自分かっこええ。」と思っていただけなんだと。

プロジェクトを俯瞰して物事を考えることを放棄していたように思う。

ぶっちゃけると、何となく今のままではだめだと気づいてはいたけど最後は根性論でどうにかなるやろと思っていた。はい。とても恥じています。

いま

まだ火の中にいるが、なんとなく前よりは涼しく感じられるようになってきている。(何かうまい表現が思いつかない。まぁ、前よりは良くなっているってこと)

勇気を出して現状を打ち明け、周囲に助けを求めることで、協力してくれる人が現れた。(むしろ最初からいたのだと思う)

そのおかげで、タスクの整理や優先順位の見直しが進み、少しずつ状況が落ち着きつつある。チームや周囲と一緒に進めることで、心の余裕も生まれてきたように感じる。余裕を持つことで、前より冷静に物事を見つめられるようになった。余裕を持つことは大事だ。

おわりに

根性論も悪くはないですが(けっきょくどこかで根性はいるので)、今の時代にはそぐわないと思います。もっとスマートに生きよ?

もしも炎の中にいるかも?と思った方は、一回、炎の中からちょっとだけ抜けてみて物事を冷静に考えてみること、つまり、一度立ち止まる勇気を出してみることをオススメします。すべてをさらけだすことが最初の一歩です!