Bump of Chicken「aurora 」「記念撮影」がすごい

shin
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Bump of Chicken(以後BUMP)は今年25年の誕生日を迎えた。バンドにおいて音楽を同じメンバーでやり続けるのはかなりの難易度である。脱退やメンバーチェンジを幾度となく繰り返すアーティストがほとんどな中で25年続けるのはかなりすごいこと。

そんなBUMPの現在の最新アルバムである「aurora arc」をきいて感じたことを述べていく。

正直なところで言うとBUMPは25年においてかなりの変化を遂げている。例えばバンドセット(ギターベースドラム)が中心だった初期に比べて同期音源が増えたり、楽曲自体も尖った曲(ex.乗車券)というより万人受けの曲(ex.新世界)が多く作られている、と思う。

aurora arcをきいてもしかしたらBUMPは変わってしまったと言う人がいてきかなくなってしまった人がいるかもしれない。変わってしまたことは認めるがBUMPとしての音楽の質は高い状態を保っているのでぜひとも新しい気持ちでaurora arcは聞いてみてほしい。

このアルバムを聞いた当初は曲の中で新世界という曲を推していた。この曲はBUMPの中でもかなりキャッチーな曲で中でもボーカルの藤原基央が「ベイビーアイラビューだぜ」と歌う姿は20年前の人がだれが予想しただろうか、非常におもしろいサウンドになっている。

またリボンという曲においては藤原の感性豊かな詩を遺憾無く発揮したすばらしい曲でありBUMPファンならたまらないだろう。

だが,この作品が経ってから3年半,大きくその好みが変化した。

「aurora」「記念撮影」この2つが大変すばらしい。

auroraはこの作品の3曲目にあたるがこの曲がこのアルバムのコンセプトを表す重要な鍵になっている。その鍵というのはLiveで1曲目に使われているということである。たしかにこの曲は全体を通してアルバムのコンセプトであるオーロラを表すのに充分と言えるほどの曲であると考えられる。オーロラを見たときのワクワク感とLiveが始まるワクワク感、この2つがうまく合致した大変すばらしい楽曲である。

そして記念撮影,この曲のすごさはベースとドラムの低音にあると感じる。バンドシーンにおいて音を埋めるために支えるためにバスドラムやベースがあると思うがこの曲においてはベースとバスドラムはかなり最小限にまとめられている。おそらくこれは意図的であり、オーロラというテーマ,オーロラの美しさを消さないための最小限の低音である。オーロラと低音、このそぐわない部分をなるべく削り浮遊感や美しさを見出した壮大な曲である。そして低音が鳴る以外の空白の部分がいわゆる夜景の空気感を漂わせている気がする。

オーロラというコンセプトをかなり高い水準でまとめられた25年の技術を存分に味わってほしい。