自分の脳みそに対して「うるさいなあ」と思うことが多々ある。考えごとが多いタイプの人間と言い換えることもできるのだが、もはやそんなレベルではない。
いうなれば、頭の中に自分以外の人間が3人くらいシェアハウスをしていて、彼女たちが常に女子会の要領であらゆる話題で議論を交わしている。そんな感じである。
たとえば、今日のわたしの脳内シェアハウスはこんな盛り上がりを見せていた。
A「え、なんかすごいお腹すいたんだけど。今日のお昼ごはんどうする〜?」
B「いや、それな。作るのも買うのも面倒だからUberしちゃいたい気持ちなんよ」
C「ん〜でもさ、なんかこの間アプリ削除したばっかりじゃんね。再インストール手間かかるよ〜」
B「でもさ、わざわざ買いにいくのもしんどくない?」
C「それはそう。え、でもそもそもお昼ごはん食べる前に用事済ませたいから出かけようよ」
A「できたら苦労しないわ〜。てか、打ち合わせまであんまり時間ないからサクッと食べれるもの頼もうよ(アプリのダウンロードをはじめる)」
B「あ〜あ、入れちゃった! そういえば、〇〇さんから頼まれてた作業の締め切りも近いよね」
C「そうなのよ、用事も終わらせて作業もして、そのあと今日はテニススクールだし、結構バタバタするのよね」
B「え、あれ、用事ってどこまで行くんだっけ?」
A「四ツ谷」
B「あ〜だから家からだと往復2時間はいるのよな」
A「そうそう、しかも丸の内線って乗り換え結構しんどいのよね」
C「わかりみ。階段の登り降りも多いからさ、荷物軽くして行ったほうがいいと思うよ」
A「そだね〜。あと、余裕あれば四ツ谷でちょっとコーヒー飲みたい気持ちもあるんだけど」
B「え〜それいける? 案外時間ないから、帰ってきて余裕あったらファミマで買えばいいんじゃない?」
C「そう思う〜。それと、何時頃着けるか考えて、先方に連絡しておかなきゃじゃん」
B「連絡先どこにあったっけ?」
A「え、机の上かなんかに置いたはずだけど」
B「あ〜あったわ。電話したらすぐ持っていく荷物かためとかないと忘れるからね、気をつけて〜」
A「おけ〜。あっ待って、その前にあれだ、別の作業も先にやっとかないと打ち合わせのとき使うかもしれんよ」
C「ん〜それ時間ないかもしれんなあ、だいぶ急がないとよ。使うデータとかちゃんと受け取ってたっけ?」
A「たしかあったはず。だからそれ処理して云々……。え、ねえ、お昼ごはんは?」
B&C「あ……(笑)」
こんな調子でよく喋る。取り留めのない様子だし、話題がよく変わるし、無限に話し続けているので、本体であるわたしが異常に疲れてしまうことも少なくない。
こういうクセをいい感じに収めたくて、頭がすっきりすると噂のサウナに駆け込むこともよくある。「熱い!」以外の感情が持てないから思考がクリアになるとかいうけれど、サウナに入ってみても彼女たちはまあ騒がしいのだ。
落ち着くことを知らない若人が頭の中に住んでいると、とても厄介なのである。皆様方におかれましては、彼女たちを静かにさせる方法をご存知でしたら、ぜひこそっとわたしに教えてくださると嬉しいです。
たまには静かな頭で暮らしてみたい。3泊くらいの旅行にでも行ってきてほしいと切に願う、本体側のわたしからの強い要望なのでした。