目下、悩んでいることがある。ガスコンロを自宅に導入するかどうかだ。我が家は入居時にガスコンロがついている物件ではなかったため、自分で購入して取り付ける必要がある。
ところが、今の住まいに移ってから早1年半。ガスコンロの必要性を感じる瞬間には残念ながら出会っていない。無印良品のカセットコンロを所有しているため火を使いたいときはそれで十分であるし、基本的にはレンチンとケトルがあればたいてい事足りる。
じゃあ、なぜそこまで悩んでいるのかというと、ガスコンロのある食卓へのあこがれが止まらないからである。たとえば、わたしは昔から『北欧、暮らしの道具店』で公開されている料理ドラマの『ひとりごとエプロン』が大好きだ。
このドラマでは毎回なにかしらのエピソードに基づいて料理をつくるシーンがあるのだが、見てみてほしい。台所がまあ〜なんとかわいいのである。愛おしいくらいに。
くすんだ白色のガスコンロをカチッとつけるその一瞬まで、すべてが尊くて、理想の生活が詰まっているのだよなあと思うのだ。使用頻度は決して多くないのかもしれないが、もし引っ越したら購入したのも無駄に終わってしまうかもしれないが、それでもやっぱりほしいからと、理性と感性が戦っている次第である。
ガスコンロの収まっていないキッチンには、なんともマヌケなスペースがぽこんと空いている。そのひょうきんな空間を横目に、今日もまたメルカリで価格の下がったガスコンロを見つけてはいいねを押すbotと化している。