わたしは群がれない

詩乃 / shino
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最近、人間として欠如しているなあと思う能力の一つに「群がり力」がある。誰かとどこかへ行く、一緒に楽しむみたいな力が著しく低く、つい一匹狼を満喫してしまうのだ。

例をあげればキリがないが、代表的なものはディズニーやライブ、美術館や映画館の類だろうか。このあたりはひとりで行くのに慣れてしまい、たまに人と行くと、どうふるまっていいのかと戸惑うことさえある。

日頃のごはん、買い物、あそびまで、「ひとり〇〇」でできないことはもう存在しないと自負がある。結局、人を誘えば誘うだけフットワークが重たくなることを知っているから、気の向くままひとりで出かけることが多くなった。

まあ、それ自体による弊害は特にないのだが、なんとなく寂しいと思うことはやっぱりある。最近だと、推しているアーティストのファンコミュニティを見るたびにそう思う。

SNSではファンのみんなが「〇〇(だいたいはロケ地)いこう〜!」「タワレコで一緒にフラゲしてきた〜!」「ネップリ素材つくりました〜!」などなど投稿している様子が見えてしまうので、それらを見つめるわたしは、ただひたすらに「いいなあ」と羨ましく彼女たちを見つめているのだった。

いや、もちろんすっごく羨ましくて、輝かしくも見えるのだけれど、そんな輪に入れるタイプの人間じゃないっていうのもわかるし、群れるとわたしには負荷が大きいっていうのもわかってる。たぶん向いてない。けれど、「楽しそう〜いいな〜!」とは思ってしまうわけだ。悲しい性である。

ひとり遊びがうまいのは、ひとりっ子特有の強みだなあと思う。家族も個で生きているタイプの我が家において、わたしがそう育ったのにはなんの違和感もない。この人生はそう悪くもない。

けれども、たまに、ごくたま〜に、群がれない自分の特性を焦ったく、もどかしくも思うのだった。生まれ変わったら、素直に輪に入れる人間になってみたい。

先日、勇気を出して親友と一緒になんとか行けた神楽坂の某ロケ地

(先日、勇気を出して親友と一緒に行った神楽坂の某ロケ地)

@shino74_811
暮らしが好きな旅の人。属性は編集者。もっとも気を抜いて文章を書いている場所なので大した期待はしないでください。