年明け一発目から世の中は随分と物騒だが、わたしの心の治安も随分と物騒だった。
あれこれと忙しく動き回っていた昨年の11〜12月から、相変わらず我が家はたいして落ち着きのない日々を送っており、なにが年始だこの野郎といった、なんともめでたくない気分を抱いている。
そんななか、いろいろと溜め込んでいた感情に限界がきたわたしは、初めて家族の前で大号泣した。大切な人がこの世を去ったというのにも関わらず、わたしなんかよりつらい人がいるからとずっと人前で泣くのを我慢していた。が、いよいよいくらなんでも限界がきたらしい。
久しぶりにおいおい泣いた。もはや冗談かと思うくらい泣いた。そうしたら、どうしてか脳みそのなかに溜まっていたマグマのような感情がサラッとおさまり、精神的治安がいささか平穏になったのだ。
涙活はすごい、すごいぞと思うに至る。わたしは泣き虫なわりに、案外人の前で泣くのが好きじゃなくて、つい変なところで泣くのを無理やり我慢してしまうきらいがある。
けれども、泣けると人は心が楽になるし、泣かれることで「ああ、今素直な感情でいられているんだな」と安心してくれる人もいるらしい。現に、ずっと泣かないわたしを母は心底案じていたらしく「泣いてくれてよかった」と泣きながら話してくれた。涙を流すことが人のためにもなるだなんて、と驚きだ。
とにもかくにも、たまには泣いちゃえ、心のままに。それがヘルシーに生きるためには素晴らしい営みだってことも、きっとあるのかもしれないから。