バレンタイン該当範囲についての苦悩

詩乃 / shino
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毎年、バレンタインの季節になると頭を抱えている。

バレンタインの定義が「恋心を抱いている相手に贈る」とされているならばそれに従えばいい ── というか、基本的には「カップルが愛を祝う日」とされているはず ── のだが、昨今の風潮的には家族、親友、お世話になっている人など、その対象がどんどん広がっている。

家族はまあ、いい。わたしの家族の男性陣は、チョコレート好きの父のみだから、彼が好きそうなチョコレートを毎年探しに出かけている。彼は「もらえるだけで嬉しいよ」と言ってくれる、わりとスパダリみの強い人なので、喜んでもらうためにはと探す営みが捗るのだ。

問題は、それ以外だ。恋心などなくたって、「お世話になっている男性」というカテゴリの人間は、わたしにとってはまあまあの人数がいる。仕事の絡みがある人もそう、プライベートで仲良くしてくれている人もそう。

その人たちの、誰にバレンタインという名目でプレゼントを差し上げるのか。そして、どんなものを選ぶのか。これが本当に難しい問題なのだ。

極論、あげたい人(この場合はお礼を伝えたい人、の意)にあげればいいという話ではあるのだが、人間関係という煩わしいものを鑑みると「〇〇さんはもらっているのに、△△さんはもらえていない」という事態を極力避けねばならない。

そういうのを考えて、全員に渡さないという選択をすると、今度は「え〜しのちゃんくれないの?」とメンヘラスイッチが作動する人もいるわけで。ああ、なんてめんどうなシステムだろうか。

そんなわけで、わたしは今日も、渋谷のスクランブルスクエアであらゆるチョコレートを眺めながら検討を進めたのだった。着地としては、父にひとつ、それとは別にプライベートで4つ。仕事絡みの人は、近々対面機会がないので今回はまるごとスルー。ごめんねみんな。

それと、近々会えるわけではないけれど、ちょっとだけ気になっている人に月末会うので、それ用にもひとつ。

学生時代ほどではないにせよ、あらゆるイベントごとの中でも、とりわけバレンタインは難易度が高い。イベントの楽しみ方を広義にする風潮、どうにかしてほしいものである。こちらのお財布が爆発してしまうのも時間の問題だ。

@shino74_811
暮らしが好きな旅の人。属性は編集者。もっとも気を抜いて文章を書いている場所なので大した期待はしないでください。