毎月恒例のネイルに行ってきた。
前回は年内最後にとひとめぼれした益子焼をオマージュしたデザインにしてもらったのだが、今回はどうしようか、どうしようかと悩み抜くこと、約2週間。
好きな器や燭台、印象派のポストカードなど、いろいろとインスピレーションはあって、叶えたい色合いはいっぱいある。
なので、悩む。めちゃくちゃ悩む。毎月変わるとはいえど、その一ヶ月のごきげんを左右するのだ。今回は珍しくするっとは決まらず、悩みに悩んだ末、せっかく冬も最終局面だしと思い、大好きな北海道の景色を爪にのせることにした。
北海道といっても広うござんして、どこの冬景色を選ぶかは悩みの種だった。ただ、今回はどうしても印象的だった、美瑛の冬の空をチョイス。
先月、旭川と美瑛に出かけた際、前田景さんの写真をみるべく訪れた拓真館で、素晴らしい作品と出会ったのだ。
特に好きだったのが、美瑛の冬の空。それが描かれたポジフィルム風のステッカーを購入していたので、そこからインスピレーションを得て、冬の空のイメージをかためた。
美瑛の冬にもいろいろあるけれど、銀世界になびく青々とした空、それと時間が夜に向かうときにだけ見える、淡い夢のような色合い。それらが混ざりあって溶けた時間を表現したくて、いつものごとく、ネイリストさんに無茶ぶりオーダーをやらかした。
その結果生まれたのがこんなネイル。ベースカラー、ミラー、さらにカラーを乗せた三層仕上げで、ベースにはシアー感を入れたくすみブルーを、その上にオレンジのミラーを仕込み、最後にミラー感が消え去らない程度のクリアめなブルーグレーを乗せた。
明るいタイミングで見れば比較的鮮やかなくすみブルーに見えるかもしれないけれど、角度や時間帯が変わると、それはグラデーションになったり、紫がかって見えたりと、まるでカメレオン。その曖昧さが好きだ。
毎月、性懲りもなく新しい質感を求めて色やテクスチャをあれこれと試しているが、一向に飽きないのがすごいところ。いつまでだって夢があるし、いつまでだって高望みができる。すなわち、ロマンがある。
加えて、アートネイルではなく、あくまでワンカラーの世界線で遊んでいるっていうのがまたこの上なく楽しい営みなのだ。引き続き、未知の引き出しをネイリストさんと一緒に開けていきたい所存だ。