何事も気づいた時には終わっているものだ。
生きていく上で大切なものは失ってから気が付くし、無くしてから探し出す。
時間、お金、体力、友達、気が付けば失っていく。
そうして命まで気が付いたときには失うのだろう。
死んだ時に、自分は死んだと思うのだろうか。
死んだことすら気づけないんだろう。
注意深く、失わないように無くさないように生きていても、あまりにも失う物が多すぎる。
失う事を恐れる事すらも、きっとそのうち失うのだろう。
赤子は生まれた時に泣く、そこから死ぬまで失い続ける命の儚さに泣くのだ。
何か一つでも、残せるのだろうか。