ワインのようなコーヒー

詩走
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大人と言われる年齢になってもなお、私には克服できないものが結構ある。わんちゃんは見てる分には可愛いが、寄ってこられると怖い。台湾料理屋ではパクチーは必ず抜きにする。さらに、私はまだコーヒーが苦くて飲めない。紅茶が好きだから選ばない、というのも一理あるが「苦くて美味しいかどうかわからない」というのが本心。周りにコーヒー好きの大人は多く、豆、農園、抽出方法の違いなどこだわろうと思えばどこまでもこだわれるやり込み要素の多さが魅力なんだろう、と側から見て思う。かと思えば、会社の先輩のように味とかは置いといて中毒のように摂取する人もいる。なんて恐ろしい飲み物。

今日は仕事の合間にパートナーとお散歩。スタバで飲み物を買って帰宅することが多いが、焙煎所併設のコーヒースタンドまで足を伸ばしてみた。豆がずらりと並び、一つ一つにポケモンがごとく説明書きやグラフが添えられている。パートナーのコーヒーが抽出されるまで読み込んでいると、フルーティーやコク深いなどに混じって「ワインのような香りと味」という表記を見つけた。あんなにも味をどうにかして詩的に例えて伝えようとする複雑なワインに対して、「ワインみたいです。」という諦め具合…。言い忘れていましたが、私はまだワインも克服していない。その超大人コーヒーを飲んだ時、私は何を思うのか。表現したくてうずうずするような高揚感に駆られるのか。否、多分「苦ーーい。」で終いだろう。食後はまだしばらく紅茶を飲みそうだ。