出かける前髪をセットする時、昨日私が彼に放った名言を反芻してたのにいざ書こうとすると思い出せない。その程度の戯言だったんだか。悲しい。
母と庭園美術館と目黒美術館をはしごする。大切な友達と会う時は服装気を使う傾向にあるが、今日も同様だった。今までは家族だからと着の身着のままだったが、離れて暮らし始めてからしばらく経ち、自分の中で母の存在が大切な友達に成り下がってしまったんだと受け入れた。それでも母の気にいる服を着ないとな(モノトーンだと地味だなあ、とぐちぐち言われがち)、とも思っておりよき娘を演じすぎてた大学生までの自分がフラッシュバックする。あの頃の関係性は誰も得していなかった。
それにしても母は他人と話す能力が抜きん出ている。他人と話す星のもとに生まれた言っても過言ではない、外出先でよく知らない人に話しかけられるのだ。美術館で展示について聞かれたり、道を聞かれたり、映画館までのエレベーターで何を観る予定なのか女子高生集団に聞かれたこともあるそう。今日も展示の写真を見ていたら、横のおばあさまに「ここに写ってる人たちは全員死んでるでしょうねぇ。」と少々残酷な声の掛けられ方してた。そんなこと確認したいか?と思ってるうちに、母の「そうですねぇー。」で会話は終わっていた。当たり前かのような光景。立ち寄ったアイススタンドでは、母が赤ちゃん連れ夫婦に「赤ちゃん小さいですねぇ。」という事実を伝えてそこから食べ終わるまで話していた。
帰りの電車で推し活に勤しむ母から渋谷のサイネージ広告の費用を教えてもらうなどして帰宅。