5月14日 水中

詩走
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読書家の方が読む本の基準を「2回おすすめされたら買う」と言っていたことを思い出す。それは人からのおすすめでもXのタイムラインでも良い。一度検索したらサジェストされたりもあるが、この言葉を聞いてから私も意識して選書するようになった。

今朝は遅れに遅れて朝ドラ「虎に翼」を見た。タイムラインはもちろん興味の範囲が近い友達など、様々な角度からおすすめされ続けてようやく折れた形だ。決定打はシーズン1から楽しみに聞き続けている「y2k新書」で話題にあがったこと、さすがにこれは見ないといけないんだと使命感を感じた。8時までに急いで朝ご飯を用意し、爆速でお届けされる天気予報を見守った。なんとなく関係性はわかった程度だが、やはり主人公が女だからという理由で相手にされていない姿に訳もわからず腹が立った。本当に誰だかわからないが、嫉妬しながらも社会やその状況に声を上げない主人公に怒りをぶつける友人に自分を重ね合わせてしまった。

今日は仕事で自分のミスが発覚し、どうしようもない自己嫌悪に陥った。ミスはいつも同じ確認不足、これは中学受験のころからずっと大事に育ててしまったクソみたいな私の短所だ。いい方向に転んだことはない。帰宅すると彼が食事を作って待っていてくれた。自分のせいで人に迷惑をかけていることが浮き彫りになり、辛い。メンタルが落ち込み切っていた大学時代の1年間ちょっとの期間、振り返るとずっと水の中にいたような感覚だった。息苦しく、思うように動けない。そんな経験から嫌なことがあるとだんだん足元から水に浸かっていく気がしてしまう。早くここから抜け出さないと、と思うが状況が収まるのを待つだけだ。

一人で生活していた頃はこんな時洗面所で泣き崩れていたが、今は帰ったらもう一名感情を持った人間がいる。一緒に飯を食って話してお笑いを見たら、稀にみる早期回復を実現した。

本当は日記したためてやろうと思っていたことも、細かいことは忘れてしまった。唯一覚えているのは駅で見た「101回目のプロポーズ」のTシャツを着たおっちゃん。トラックを止めるシーンじゃない写真がプリントされていた。