ウマ娘のエアシャカールちゃんが好きだ。
折角なので、いろいろ書き留めておこうと思う。
私が彼女を本格的に知ったのはウマ娘を始めて最初の夏、作中で「ドロワ」と呼ばれる祭事についてのストーリーイベントが行われた時だ。私はもともと70年〜80年代の少女漫画が好きなせいか、この作品に登場するキリッとしたマニッシュな少女たち(具体的に言うと、シリウスシンボリやタニノギムレットなど)が気になっていた。気になっていたと言っても元の馬のことを多少知ってる程度だから、ウマ娘の秀逸なグラフィックを見たことによる、いわゆる「顔が好き」の部類だ。ゲームで深く知る前にあまり立ち入ったことを知るつもりはなく、二次創作等も見ていなかった。自分が知らないキャラを二次創作で先に知ることに若干抵抗があるオタクであることや、元来ロールプレイが好きなので第一印象は作中の「トレーナー」と同じくまっさらに始めたかったこと、理由はいろいろあったような気がする。テレビ放映のアニメ作品やOVAなどでキャラクター設定の揺れもある作品だったし、本編ゲーム以外の登場をそこまで追わないようにもしていた。
「ドロワ」のイベントは、女学園ものかくあるべしの素敵なダンスパーティーをモチーフにしたイベントで、新衣装として華やかなドレスに身を包んだフジキセキや、スポーティな社交服を纏ったセイウンスカイがキャラに実装され、サポートカードでは漆黒のスーツやシックなドレスに身を固めたシリウスシンボリとシンボリルドルフが登場した。そしてイベントクリアの報酬として改めて現れたのが当該イベントの主要登場人物だったエアシャカールだった。私は彼女と親しいファインモーション嬢を所持していなかったため、彼女のウマ娘としてのキャラをよく知らなかった。ウマ娘のグラフィックが素晴らしいため、造型的に顔立ちが好きだなぁ程度の感情しかないまま、当該イベントで彼女とシリウスシンボリの気難しさはよく理解できた。他にも彼女らの様々な拘りや人間関係、人の良さも分かったが、それは長くなるので割愛する。私は所謂気性難の気難しい娘が好きだった(スイープトウショウなど)ので、ははぁ気難しい娘か、もし知り合えたら(所持出来たら)楽しそうだなと思った。繊細な競走馬の気質を年頃の少女としての気難しさに落とし込んでいることそのものがコンテンツのひとつの魅力だと思っていたし、その性質をまるごと受け継いだ気難しい娘に対して、トレーナーと言う「大人」がどのようにアプローチするのかも常々ストーリーにおいて楽しみだった。
その後、七月にこの「ドロワ」イベントを受けてか「エアシャカール」は育成キャラとして実装された。私は先のイベントで気になっていたキャラだったので少しガチャを回したが、引けなかった。引けなかったなら仕方ないかとその時は諦めた。縁があるか無いかと言えば、多分無いんだろうなと思った。諦めは早かった。ガチャはある種、縁であると思う。来る子はなんだかんだとすり抜けで来たりする。当時は始めてから半年も経っていない初心者ユーザーだったから、手元の環境が円熟していなかったことも深追いしない理由だった。特に追込脚質の子はなんだかんだと上級者向けに感じていたこともあり(始めた時のガチャから来たアドマイヤベガさんを暫く上手に育てられず、申し訳なかった)宝の持ち腐れになるかもしれないと思うと諦めは良かった。
そのまま、特に何ということもなく普通に遊んで半年が経った。その間、私もファンであるスマートファルコンさんたちの別衣装が出たり楽しく暮らしていた。
私の手元にエアシャカール嬢が到来したのは2022年の十二月半ばだった。何の折だったかよく覚えていないが一枚かそこらの半端な枚数のガチャチケットを使ってしまおうと思った際の単発だった気がする。所謂すり抜けでやって来た。私は「来たら嬉しい」と思っていた子だったから、素直に喜んだ。
その時はまさかこんなにもこんなことになるとは夢にも思っていなかった。
(続く)