『哀れなるものたち』視聴。個人的には〇〇年に一度の傑作なのではと思うくらい凄い作品だった。劇場で観るか配信で観るか迷っている人が居ればぜひ劇場の方に背中を押したい。ランティモス監督作品といえばのカメラについて、『女王陛下のお気に入り』の魅力のひとつでもあった”へん”さが今作ではかなり適合しており面白かった。そしてランティモス監督の話の作り方そのものに関しては特に仰天しないで観ているのだが、今作は本当に内容も良かったので帰り道で原作をカートに入れた。
信頼している監督の作品だと今年はもう一作『ボーはおそれている』が非常に楽しみ。アリ・アスター監督は呪いめいたものを撮るときに一見呪いとは思わせないための計算がとても凄いと思っている。
わたしはじつは人間の祈りを映すような作品より人間(観客も含め)を動物として描くような作品が好きだったりする。肌に合うというか。そういう作品って不穏で不条理なジョークを散りばめたブラックな仕立てであることが割と多い印象があって、絶望をタネにはしても美しく描きすぎない。わたしもいつかこういうもの作れるようになりたいなと思う。