世界15か国のスタッフが働く東京のレストランINUAのマネジメントから学ぶこと(2020)

shotaro
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この記事を読んで、飲食店の話だけど、私が働いていたIT業界での働き方にも通じる話だなと思ったので、似てると思ったところを書いてみる。

世界の料理人たちが集まり働く東京の「ミシュラン二つ星」レストラン 週休3日制を実現するプロフェッショナル・チームの作り方イギリスの雑誌『Restaurant』が選ぶ「The World's 50 Best Restaurants」(世界のベスbizhint.jp

情報のオープン化

例えば、レストランで得た新しい発見やノウハウは、スタッフたちにもシェアしています。下のフロアには私たちが「テストキッチン」と呼んでいるラボがあり、日本全国を旅して見つけた食材で、新しい料理の開発をしています。テストキッチンで見つけたアイデアもスタッフと共有しています。

情報は出来るだけオープンにして共有する文化、大事。 テストキッチンでの試作=プロトタイプ開発。

多様なワーキングスタイル

「働き方」でいえば、スタッフの個人のライフスタイルに合わせて、私たちは週休3日制、「週4日の勤務体制」を実現しています。「週4日の勤務体制」ですが、勤務時間でいえばほぼ5日間働いた時と同じです。1日に働く時間を増やし、毎日1人か2人が定期的に休めるシフトを組めるようにしました。簡単そうに聞こえるかもしれませんが、実はそうではありません。

時短勤務、リモートワーク、週休三日制。選択肢があることが大事。

属人化の排除

1人が休むと、ほかの誰かがその作業を請け負う必要があります。 次の日、また別の誰かが休めば、また別の誰かがその仕事を請け負う……。この体制を維持するには全員が全メニューの料理を手伝えることが前提になります。これは多くのレストランとは違うシステムだと思います。

情報のオープン化にも通じますが、ソフトウェア開発でいうとXPとかペアプログラミングが近いのかなと思いました。全員が仕様を把握できる仕組み。

振り返りによる改善

例えば、毎週必ずチームでお互いを批評しあう場を設けています。具体的には、週に1回、3人のシェフと1人のフロアスタッフがグループになって、料理や飲み物などを考案するプロジェクトです。それぞれのメニューに関して「どうしてこの料理だったのか」「なぜこの飲み物を選んだのか」……最初から最後まですべての料理を振り返ります。そして、やり直せるとしたら何を改善するかを話し合います。料理や食材、飲み物は試食・試飲して全員でフィードバックしています。

多面評価とか、アジャイル開発におけるプラクティスのひとつの振り返りによる改善とか、1on1による内省を促すことでの経験学習サイクルでの自己成長に近い。

チームによる成果を最大化する

私はnomaでレネ・レゼピという世界中のシェフが憧れるトップシェフの右腕として働いていましたが、彼は私に「人生の教訓」をたくさん与えてくれました。彼と働いて感じたのは、本当に彼が「自分を超えるような成長をしてほしい」と願っていること。例え、彼がミスすることがあっても、私たちが同じミスを起こさないように、「私の失敗から学んでほしい」と言っていました。 あと 彼はスタッフやチームメンバー同士で競い合わせることもしませんでした。それより、スタッフ全員と一緒に成し遂げることを大切にしていました。 こうした彼の姿勢が世界最高のチームパフォーマンスを引き出してきたのです。 コーチとして必要なのは、「選手としての優れた能力」ではなく、人の心を読み、人を理解すること。つまり、心理学です。チームのメンバーが積極的に取り組むことは何か。それを知ることが、最も大きな利益をもたらすと思います。

メンバのことをよく把握し、個人ではなく、チームで最大の成果をあげる。 フォロワーシップ型のマネジメントなのかなと思いました。

飲食店でここまでのマネジメントをしている話をあまり知らなかったので、すごいと思いました。働いてみたい。お客としても行ってみたい。

後編もあるとのことなので楽しみです。