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2026.7.26 津久井やまゆり園にて・拾遺

生姜
·
公開:2026/8/4

「2026.7.26 津久井やまゆり園にて」の記事には書かなかった、あれやこれやのよしなしごとを書いていきます。

◆私は大阪府在住です。東京に出掛ける際は交通費をケチりたいがため、だいたい夜行バスを利用します。足元がゆったりしたバスですと、臀部に蓄積されるダメージがかなり少ないのでなかなかに快適です。が、やはり夏は寝苦しくてかなわんことを身をもって知ったので、冷房のシーズンは飛行機か新幹線を使おうと決めました……

◆なんでパーキングエリアのトイレの洗面ボウルって表面バキバキがちなんだろう。場所ごとに微妙にデザインが異なっていたり、謎に洗面周りの機能性が高かったりして、個人的にパーキングエリアのトイレは遊園地感覚で楽しんでいるのですが(これが深夜テンションというヤツかと今気付いた)、樹脂素材でできた洗面ボウルが何故かそこそこの確率で派手にひび割れてるんですよね。何を落としたらあんなことに。

◆東京駅には朝5時過ぎに到着。そこから地下でトイレをのっそのっそと探し回っていました、歯を磨きたく。夜間には閉鎖されるトイレが意外と多くて、構内図の通りに行っては引き返しを繰り返し、気付けば30分くらい経ってしまっていた。

◆ひとまず中央線に乗って相模原方面へ。電車に乗っている間、肌のベタつきに我慢ならなくなり、途中の八王子駅で降りて快活CLUBへ。250円シャワー助かる。お店を出て駅に向かう途中、散歩中のデッカいわんこをいっぱい見る。八王子はデッカイわんこの町。

◆高尾駅のプラットホームから、高尾警察署のほうを向いて、ムラット・チチェックさんへ哀悼を捧げました。帰宅後読み返した『みんな、おしゃべり!』のパンフレットのムラットさんのページには「現在脚本を執筆中」の文字がありました。次に関東方面へ出掛ける際には必ず高尾警察署まで参ります。

◆朝8時過ぎに相模湖駅に到着。出発前に大阪でお花を買おうとも思ったのですが、遠出するとき往々にして私はやらかす(※フラグ)ので、なにかの間違いでお花が台無しになってはいかんと買えずにおりました。幸い、駅前の雑貨屋さんが早々に営業を始めていたため、菊の花を購入。店の軒先でアイスキャンデーがわんさか入った冷凍ケースが汗をかいている、情趣溢れる佇まい。よき。

◆そこから路線バスで津久井やまゆり園へ初めて現地に立って思い浮かんだものは「隔絶」でした。やまゆり園の前の道は坂道となっています。坂の下は大きくカーブし、坂の上はすぐ下り坂になるので、どちらも向こう側を見通せません。道を挟んで向かい側にはニイニイゼミの鳴き声がしっとり降り注ぐ雑木林、園のすぐ後ろには相模川が流れています。お隣やお向かいにお家はあるものの、どこか市街地からは切り離された空気感がありました。

◆午前とはいえ炎天下、追悼のためにお越しになった参列者の方に記者たちはインタビューを敢行していました。厚かましくも私が日傘を差しに行った高齢の男性は、御年85歳で肌はこんがりと焼け、ご自身もお鞄にヘルプマークを着けてらっしゃり、10年前の事件発生翌月からほぼ欠かさず毎月26日には花を手向けにいらっしゃるのだそうです。

◆「何年生まれですか」にとどまらず、何故か「何月生まれかも教えてください」と執拗に聞いている記者たちが不可解で(年齢を正確に書くためなんでしょうか…?)、そんな光景を見ているうちに「自分ならこの人に何をお訊きするんだろう」と日傘を傾けながらぼんやり考えていました。あれこれ考えましたが、「ご本人自ら語り始めるのを待ち、亡くなった19名の方々に、共にずっと手を合わせ続けるのみではないか」などと思いました。ただ、もし自分が仕事として男性に対峙するならば、やはり「何年何月生まれですか?」などと尋ねていたのだろうとも思います

◆男性は取材される際、みじろぎもせず、話すペースも乱されず、全く慣れたような雰囲気でした。どの新聞社からどのような対応を受けたのかも記憶されていました。一体今まで何度似たような質問を投げ掛けられ、何度答えを求められてきたのでしょう。想像もできません。

◆11:45ごろ、相模湖駅行きのバスを待つ間、坂の向こうから続々と、喪服に身を包み両手で花束を抱えた人々が歩いてきます。車椅子ユーザーの方もいらっしゃいました。花束の多くには白百合の花が咲いていました。

◆定刻より2分遅れてバスが着きました。その次のバス停で、車椅子ユーザーの方が降りられたのですが、路面の状態が悪いためなのか、なかなか降車はスムーズにはいかず、かなりの時間を要していました。勝手を知らない私が無理に手伝う訳にもいかず、電車の時間に間に合わないかもなあ……とぼんやり思っていたのですが、バスは同じく2分遅れで相模湖駅に到着。そんな訳で、もしかすると車椅子ユーザーの方が日頃から利用されることをしっかり想定してバスのダイヤが組まれているのかも知れない、と思った次第です。

◆12:10ごろ、駅のプラットホームに立っていると突然激しい雨風に見舞われました。屋根があっても真横から容赦なく吹き込んでくるので、たまらずホームから階段へ退却します。最前までのうだる暑さが嘘のように冷たい風が駆け抜け、地上によどんだ熱をひとつ残らず奪っていきました。

◆お昼からは、インターネットでお知り合いになったおふたりの方々が、奇しくも同日に演奏会を開かれるということで、それぞれお邪魔しておりました。お昼過ぎに管弦楽団の演奏会、夜からは地下ライブハウスのコピーバンドライブと、振り幅の大きな午後でしたが、生音のエネルギーに身体が震わされる感覚に久しぶりに浸れて幸せでした。

◆東京から大阪への帰りは、夜行バスではなく、新幹線を利用しました。当初は帰りも夜行バスに乗ってそのまま仕事場に向かう算段だったのですが、暑さには勝てず(勝とうとしてはいけない)、さすがに家に帰って寝たいという気持ちが膨らみ続け、そこになんと帰りのバスの予約を忘れる(※フラグ回収)という痛恨のミスをしていたのもあり、じゃあもう……新幹線しか……ないよね?と、これ幸いと東海道本線へ。そしたらもうダイヤが乱れに乱れ、何番線が先発だ!?と私も乱れ。からくも19:20前後に新大阪行きに乗り込めました。慌てすぎて、のぞみかひかりかも覚えてません。45分遅れともなれば一周回って定刻通りなのでは。

◆新幹線で一番好きな場所は、客室と客室のあいだにある一面茶色のスペースです。あそこでぼーっとしているのが好きです。