なぜシレン6 は名作なのか

Shougo
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お久しぶりです。

最近シレン6 を購入クリアしてシリーズで過去一ハマりまして、先日遂にとぐろ島の真髄という最高難易度のダンジョンをクリアしました。

シレン6 はユーザーから大変評判がよいですがシリーズ久しぶりの新作ということでもともと期待値がとても高く Amazon 予約ランキングでも上位にいました。発売後はその高い期待値を越えてきたので、ここまでの評判になったのです。

シレン6 を遊べば遊ぶほど、これは名作であると思ったので開発者に感謝をするためにも「なぜシレン6 は名作なのか」についてまとめたくなりました。

シレン6 のユーザー層とそこから見えてくること

シレン6 の公式 X のアンケートからシレン6 のプレイヤー数の殆ど(70%)が 30 代以上でした。

これは私自身もそうなのですがシレン初代やトルネコ、シレン2 を子供のときリアルタイムで遊んでいた世代でありシレン4, シレン5 からの新規でないということです。

更にシレン 6 のユーザーの腕前はどれくらいになるでしょうか。以下は私がシレン6 のダンジョンのクリア率から予想したものです。

  • 初級者 70% 以上: ストーリーダンジョンをクリアできる、基本テクニックは熟知している。

  • 中級者 30% 以下: 応用テクニックも知っている。もっと不思議をなんとかクリアできる。

  • 上級者 5% 以下: 全てのことに詳しい。もっと不思議を安定してクリアできる、縛りプレイや TA に手を出している。

ここから分かるのは、シレン6 のユーザーは殆どが経験者だがそこまで不思議のダンジョンがうまいというわけではないということです。

シレン6 は 20 万本以上売れており上級者の数も 一万人はいると思われます。これも相当な数でありネット上での声が大きくなるのは無理がありません。しかし上級者はユーザー数の大多数ではないことを知るべきです。隠れシレンプレイヤーは本当に沢山います。

そもそもシリーズで一番売れていて評価されているのはシレン2 ですが、あれこそ子供向けに出したということもあり難易度が低いシリーズなのです。※1

不思議のダンジョンに求められていたのは「不思議のダンジョンがうまくなくても楽しめる、楽しんでうまくなれるゲーム」であることが分かります。

そしてシレン 6 のターゲット層は間違いなくストーリーをクリアできる程度の初級者ユーザーや今までシリーズから離れていたユーザーで、ターゲット層ずばりの私にとって難易度が丁度よいゲームでした。風来のシレン6 の目標は風来のシレン人口の拡大です。復帰者に戻ってもらうことです。

私は風来のシレンシリーズがどんどん売り上げが落ち、先細りしていったのはマニア向けになってしまっていたからなのではないかと予想しています。

不思議のダンジョンがうまい人だけが楽しめるゲームであってはいけないのです。風来のシレンを上級者向けのゲームにすると何がまずいのか説明します、需要からいって上級者の一万人にしか売れないゲームになります。インディーズや同人ならともかくフルプライスゲームでやると大赤字です。シリーズが終わります。

シレン6 のストーリーダンジョンの秀逸さ

不思議のダンジョンにおいて、ストーリーダンジョンはチュートリアルと呼ばれます。それは確かにシレン6もそうです。

シレン6で特徴的なのは、ストーリーダンジョンだけでなくクリア後のダンジョンですらチュートリアルということです。

シレン6 では初代シレンのように合成や身代わりの杖、脱出の巻物、仲間加入がイベントを進めないと解禁されません。上級者そのため、不思議のダンジョンに慣れている人であってもそこそこの難易度でクリアしていく必要があります。

だからといって初心者にとって優しくないかというとそういうことはなく、やられていくと徐々にイベントが解禁されて易しくなります。新要素も少しずつ解禁されるので混乱することがありません。

初心者にこのストーリーダンジョンは難しすぎるのではないかという声はありますが、私はクリア後ダンジョンの難しさを考えるとこれくらいの難易度があったほうが後に挫折しなくてよいと考えています。

シレン6のストーリーダンジョンの構成の秀逸さについては以下の記事を参照してください。この作りは任天堂の丁寧なゲーム作りにも繋がるものです。

シレン6 は皆にクリア後もちゃんと遊んでほしいのだと考えました。ネットを見るとシレン6 はクリア後ダンジョンを遊んでいる人が非常に多いように見うけられます。

特に脱出の巻物がクリア後に解禁されるのが個人的には評価していて、ストーリーダンジョンで過度に装備を成長させることがないようにしています。

素潜りをプレイヤーに覚えさせているのです。シレン6 の脱出の巻物はあくまでクリア後持ち込みダンジョンで緊急脱出するためのものです。過去作のように初心者の救済用途ではないのです。

シレン6 の思想はシレン5 と比較すると分かりやすいです。

シレン5 のストーリーダンジョンでは何度もダンジョンを行き帰りして装備を整えていくことが推奨されていました。持ち帰りの巻物ややりなおし草がよく出ますし、なにより絶対に一度ではクリアできないようになっています。

シレン5 ではストーリーダンジョンを RPG のようにして分かりやすく難易度を下げたのはよいのですが、問題はその後です。

シレン5 の難易度はクリア後に一変します。多数の特殊ダンジョン、ダンジョンの開放条件が難しい、ダンジョンを開放するために作業が必要、それぞれのダンジョンの難易度が分からない。

これはあまりに不親切ではないでしょうか? 多数のユーザーがクリア後に投げたのではないかと予想されます。私自身もシレン5 のストーリークリア後はほとんど進めていません。シレン5 はダンジョンのボリュームも多くシステムの完成度が高く、よくできているのにとても勿体無いです。

それではシレン6 はクリア後はどうなっているでしょうか。

まずダンジョンの開放はイベントを見るだけで可能なものが多くて楽です。それぞれのダンジョンの難易度はみんなのクリア率を見ることで把握可能です。クリア率の高いダンジョンから遊べばよいのです。

更に、シレン6 のクリア後ダンジョンは全体的に短くシレン6 の新要素や各種応用テクニックを学ばせるためのダンジョンになっています。

  • 識別テクニック

  • 罠の知識

  • ドスコイの知識

  • デッ怪の知識

  • 草、食料の知識

  • 桃まんの知識、モンスターの特殊能力の知識

  • 神器の知識

  • 杖や巻物の知識

  • 稼ぎの重要性、物資が少ない場合の対処方法

シレン5 とシレン 6 の違いとして、シレン5 では単体でそれぞれの特殊ダンジョンを楽しませるものでしたがシレン 6 はより教育的な意味合いが強くなっています。

ちなみに、シレン6 には従来の作品でいう「フェイの問題」(詰めシレン)は存在しません。これはシレン6 では風来のシレンの知識はダンジョンで学ばせることにしたので、教育コンテンツの重複を避けるためでしょう。シレン6 ではチュートリアルダンジョンすら削られているので、そこは徹底しています。

逆にいうと、過去作はチュートリアルが不十分で実践で学ぶように作られていないので教育的コンテンツが単独で必要だったのです。

識別テクニックを三択で学ばせる推測の修験道や鬼木島はかなりよい経験になっています。私の場合、この経験を生かして完全なる未識別ダンジョンでも図鑑を見て識別済みのアイテムから候補を推測することができるようになりました。「とぐろ島の真髄」を攻略するには必須のテクニックであるといえるでしょう。

ダンジョン階層が短いのは、ダンジョン階層が長いと作業がダレる可能性がありますし、壁が大きいとユーザーの絶望感が強くなるからでしょう。適度な長さにすることでユーザーに達成感を与え、一定の実力があればクリアできるようにしています。

それではなんのためにシレン 6 ではユーザーを丁寧に教育しているのでしょうか。

それはユーザーをシレン6 のもっと不思議 99F ダンジョンである「とぐろ島の真髄」に挑戦させるためです。この構成は秀逸というほかありません。

「とぐろ島の真髄」ではこれまでの全ての知識が問われます。風来人の知識が重要で、実力がなくてクリアは困難といえます。

もしもあなたが「とぐろ島の真髄」をクリアすればシレン6 の知識は免許皆伝、真の意味でクリアできたと言えるでしょう。

私はこれまでの作品でもっと不思議99F をクリアすることはなかったのですが、シレン6 では楽しくダンジョンを攻略することができ、ついに「とぐろ島の真髄」のクリアまでいくことができました。

自分自身の知識もかなりついたことを実感しています。

既にもっと不思議99F をクリアしているような熟練者が「とぐろ島の真髄」をクリアできるのは当たり前ですが、これまでクリアできていなかった人間がクリアできたから大きな意味があるのです。

プレイヤーがレベルアップできる作品は名作」です。

新要素ドスコイについて

シレン6 の新要素であるドスコイについてですが、正直ストーリーダンジョンでは満腹度を稼ぐことも難しく空気でした。しかし、クリア後ダンジョンで真価を発揮します。

ドスコイの特徴は以下の通りです。

  • 敵との戦闘に強くなる

  • 罠を踏まないが罠を利用することもできない

  • 常にハラヘリ状態

  • アイテムや特技による移動ができない

  • ドスコイが解除されると最大満腹度が減るので、ドスコイ維持するのが難しい

  • 壁を掘れる

私は真髄をほとんどドスコイ状態のまま攻略しましたが、そうなるとこういう冒険となります。

  • 罠を踏まないので楽チンタラ

  • 敵とは正面突破。逃げるための移動アイテムは不要

  • 敵から逃げるのではなく、部屋での接敵は通路を掘って敵と正面から戦う

  • フロアを周る最短ルートを考える

  • 一番大事なのは食料、常に食糧難に陥る

  • 壁を掘ってでもお店を探して食料を確保する

  • 胃拡張の腕輪、道具感知の腕輪は神アイテム

  • 敵から逃げるための軟弱な腕輪は不要(忍び足の腕輪、気配察知の腕輪など)

  • 基本的に稼ぎはできない、アイテムを回収したら降りる

ドスコイを活用することで普段とゲーム性が変わっていて、シレン6 の魅力を味わえるのでとても面白い冒険ができました。ドスコイが切れると、攻撃力が下がるのは勿論ですが、壁が掘れないのと罠を踏むのがストレスになりました。はい、これがドスコイ中毒です。

皆さんもドスコイ維持を是非やってみてください。楽しいですよ。

それにしても、なぜドスコイ状態だと食料が足りなくなるのでしょうか。それはドスコイが常にハラヘリになるのと、満腹度 120 で強制解除になるからです。

ドスコイ状態が解除されるときに最大満腹度が 5 減ってしまうのが特に痛く、最大満腹度を上げるのは大変だからです。

ドスコイ状態を維持するには常に現在の満腹度と睨めっこする必要があります。HP よりも満腹度が重要まであります。

シレンの最大満腹度を 200 にしたとしても満腹度 120 までは実質最大満腹度が 80、しかもハラヘリなので実質的に最大満腹度 40 しかありません。

これでは食料が足りなくなるはずです。

シレン6 は食料が出易いしドスコイだと食料管理が難しくなるので、シレン6 ではニギライズ絶対必須ではないのも面白いポイントです。

ちなみに、ドスコイダンジョンは持ち込み可能なのでドスコイを活用するダンジョンという意味が薄くて惜しい感じがしました。

調整された夜モンスター、デッ怪

シレン6 の新要素であるデッ怪についてですが、クリア前ダンジョンではあまり出てこないので正直空気のような存在であったと思います。

しかし、デッ怪が怖いのはクリア後ダンジョンで出てきたときです。

フロアにデッ怪がいることにより進行ルートが制限され、対処を考える必要が出てきます。デッ怪を石で倒すのは簡単ですがすぐに次が現れる、投擲武器は命中率が低いので外すと致命的。

デッ怪からうまく逃げてフロアを探索することによってご褒美アイテムが貰える。リスクとリターンがあります。

デッ怪と似ているのはシレン 4, 5 の夜モンスターと言えると思います。

シレン4, 5 の夜システムについて少し深堀りしてみましょう。

  • 昼と違ったゲーム性を与える

  • 稼ぎはできず、逃げがより重視される

  • 視界の制限

シレン4, 5 の夜システムの目的は探索にメリハリや緊張感を与えることだったのだろうと思います。

安定した冒険はどうしてもワンパターンになってしまうので、なにかしらの新要素が欲しかったのだろうと。

しかし、夜には以下の問題がありました。

  • 技集めが面倒

  • たいまつによるリソース管理が要求される、テンポが悪い

  • ただでさえ初心者に難しいゲームなのに、より分かりにくい印象を与える

  • レベルアップモンスターによる理不尽な即死

シレン6 のデッ怪と比較しましょう。

  • 鈍足なので逃げやすい

  • マップでどこにいるか分かる

  • 石による対処は容易だが外れる危険性あり、経験値少ない

  • こちらの視界は制限されない

  • 専用アイテムを持つ必要はない

デッ怪は夜モンスターよりかなり対処がしやすくなっていて理不尽要素は減っています。

原点回帰のシレン6 のゲームバランス、シレン4, 5 との比較

シレン6 では自然回復量が多くなりゲームのバランスが原点回帰しました。そもそもなぜシレン4, 5 は大きくバランスを変えてきたのでしょうか。

ここではシレン 4, 5 のバランスをデフレシレン、それ以外をインフレシレンと定義します。

  • デフレシレン: シレン 4, 5

  • インフレシレン: シレン 4, 5 以外

デフレシレンの特徴は以下のようになります。

  • 敵の HP の減少

  • 武器の印の強化

  • 異種合成の強化

  • 盾の印、修正値の弱体化

  • 敵の攻撃力の増加

  • HP 自然回復量の減少、回復アイテムが重要

  • 強力すぎるアイテムの削除

  • 装備を育成してコツコツと強化していく

  • アイテムがジリ貧になってやられることが多い

デフレシレンは武器の状態異常が強く腕輪ゲーとよく言われますが、これは敵が強く逃げが中心となること、腕輪以外のアイテムが弱いことが理由だと思われます。

戦闘をできるだけ避けるのがデフレシレンなのです。

シレン6 と比較してみましょう。

  • 敵の HP の増加

  • 盾の印、修正値が重要

  • 序盤の敵の攻撃力の増加、終盤の敵の攻撃力の減少

  • HP 自然回復量の増加

  • 弱すぎるアイテムの削除

  • 強力なアイテムが手に入りやすい

  • 神器システムにより装備を乗り換えやすい

  • モンスターの出現数の増加、モンスターの追跡力の増加、敵に囲まれやすい

シレン6 では敵から逃げるよりも積極的に戦闘するバランスとなっています。敵との戦闘が避けにくいからです。逆に腕輪の優先度は低いです。シレン6 では強力な腕輪がなくても十分クリアできます。

ちなみに、シレン6 では敵の特殊能力を使う頻度が多かったり投擲や武器攻撃がやたら高く思えると思いますが、これは敵の HP が高く戦闘回数が増えるためです。実はシレン6 の命中率は過去作と変化がないようです。こちらの火力はあまり過去作と変わっていないので敵の HP が二倍なら、二倍武器で攻撃する必要があり二倍特技を使われますし二倍攻撃するので二倍外れます。

おそらく、デフレシレンは玄人向けの調整をしておりゲームとしてバランスがよいです。それでもインフレシレンの魅力はあって、誰でも分かりやすくて楽しいのです。

そもそもシレン6 では難易度を上げたり、バランスをとったりするよりもゲームの楽しさを重視して作られているように思います。

時々発生するクロンのお祭りはまさに冒険を楽しくするためのスパイスです。

シレン3 はトルネコ3 と同様に RPG 化して新規のとりこみを図りましたが、これはうまくいきませんでした。

シレン4, 5 がデフレ化したのは過去シリーズの差別化、ゲームとしてバランスを取る、玄人がゲームを楽しむためだったのだと思います。

残念ながらあまりうまくはいかなかった印象です。そもそも玄人向けのバランスではユーザーが付いてこれません。風来のシレンユーザーのほとんどはうまくないのですから。

魅力的な 3D グラフィック

シレン6 の発売前はシレン 4, 5 のドット絵と違って 3D グラフィックなので不満の声がありましたが、個人的には 3D グラフィックになってよかったと思っています。

そもそも不思議のダンジョンシリーズが 3D グラフィックになったのは PS2, Nintendo 64 の世代なので 「20 年前」です。

シレン4, 5 は携帯機で機種が DS であったので性能的に 3D グラフィックより 2D グラフィックのほうが都合がよく、シレン 5Plus はそれの移植だったので長らくドット絵のシリーズが続いただけなのです。

今の時代となるとゲームにドット絵を使うのはインディーズくらいとなりフルプライス作品として出すのは厳しいです。シレン6 が 3D になったのは当然と言えるでしょう。

更にいうと評価されたシレン2 も 3D グラフィックですしアスカも擬似的な 3D グラフィックです。3D だから作品が悪くなるということはないでしょう。

シレン6 が 3D になって一番よかったことは敵キャラクターが魅力的になったことです。細かい部分がよく作りこまれており愛着が湧きます。シレン2 が 3D グラフィックで本来やりたかったのはつまりこれなんだと思います。

そもそも風来のシレンではモンスターが可愛くデザインされています。やってくることは凶悪ですが。

特にシレン6 で株が上がったモンスターはチンタラでしょう※ 2。チンタラは序盤から出てくるし、レベルアップすると大きくなるしフィジカルが強い。

私を始めチンタラのその可愛さにノックアウトされた人は多いのではないでしょうか? さあ、あなたもこれからチンタラを愛でましょう。

なぜシレン6 に一部不満が出るのか?

ここまでシレン6 のよい部分についていろいろ語ってきました。最後にシレン6 へ不満を持っている人がなぜ出てくるのかについて解説をしようと思います。

私は色んな批判的レビューを見ましたが、シレン6 の不満点は概ねこちらに集約されることでしょう。

  • 改善されたが完璧ではない UI

  • 原点に回帰した戦闘のバランス

  • 高難易度ダンジョンの不足

私はシレン6 の不満がこの程度で済むのなら神ゲーと呼んでさしつかえないと思っています。何しろ私はシリーズで一番楽しめています。

シレン6 の UI は完璧ではないですが、それでも過去作より改良されていますし遊びやすく感じました。そもそも風来のシレンの UI は徐々に改善されて現在に至るのです。最初から完璧なんてありません。今後に期待しましょう。

シレン6 のバランスは前述したとおり原点に回帰しており楽しさを重視しています。よってヒリつくような緊張感や綿密に計算されたバランスはあまりありません。

シレン6 に不満を持つのは完璧主義な人ではないでしょうか。どこかに欠点を見つけるとそれが気になって仕方がない人です。

高難易度ダンジョンが不足しているのは今作は復帰者、経験者のレベルアップを重視しているからでしょう。テクニックを学んだあとはちゃんとクリアできるようになっており、単体のダンジョンを味わい楽しむようには作られていません。

「とぐろ島の真髄」のクリア率を見れば分かる通り、クリア後ダンジョンやもっと不思議のダンジョンのクリア率はストーリーダンジョンと比較して相当に低いです。いくら沢山の高難易度ダンジョンを用意しても皆がクリアできないと意味がありません。

初心者から中級者を優先すると上級者の層が犠牲になりますが、上級者は勝手にダンジョンの楽しみを見つけるものだと思っています。X 上では盾縛りや巻物縛り、TA を頑張っている人達が多数おり尊敬します。

公式がこれからのアップデートや DLC を匂わせていますし、シレン6 はこれからが本番です。みんなの風来のシレンのレベルが上がってこそ高難易度のダンジョンに意味があるのです。

ちなみに、シレン6 はバグがとても少ないし突然のフリーズによりデータが消失しないようにも作られています。これは地味ですが大きな改良点です。

シレン6 とシリーズの未来に期待して待っていましょう。

今後の予定

私はまだクリアできていない持ち込み可能ダンジョンをクリアしたり、裏真髄に挑戦したり、風来救助やパラレルプレイも楽しんでいきたいと思っています。

シレン6 をクリアできたことで他のローグライクゲームの味について知りたくなりましたし、まだまだやることは沢山あります。

追記: 風来救助について

シレン6 の不満でたまに風来救助に関する不満を聞きます。

  • 救助に報酬がない

  • アイテムを持ちかえることができない

  • 救助する人が少ないのではないか?

私は救助に特別な報酬がないのはそれでよいと思っています。もし救助専用のアイテムがあったら救助というボランティアの仕組みが歪みます。

アイテムを持ち帰ることができないのも、シレン5 の救助が便利救助パスとしてアイテム集めに利用されることがあり歪んでいたからだと思います。

そもそも救助完了でアイテムが欲しいでしょうか。個人的に持ち込みダンジョンのためのアイテムに興味がありません。

救助が少なかったのは発売直後で皆がダンジョンクリアに一生懸命であったからです。それが落ちついた今では救助も賑わっており、X を見ると深層での救助もよく行われています。

シレン6 の風来救助は簡素な仕組みで、メニューから簡単に救助ができます。私は救助を気分転換にやることがあります。一定の階層で終わるミニダンジョンとして時間がないときでもサクッとクリアできるからです。あなたももっと気軽に救助をしてはどうでしょうか。

ちなみに、シレン6 にて番付やランキングが廃止されたのは不正の温床になるからだそうです。確かにシレン DS の番付が荒らされていたのは私も覚えています。ここは時代の流れで仕方ないでしょうか。

追記: なぜシレン6 はニンテンドースイッチ独占なのか

発売前は一部でシレン6 に PC 版がないことに対する不満があったので考えてみようと思います。

これは単純に開発リソースがなかったからでしょう。

シレン5 plus は移植だったのでそこまで開発リソースが多くなくても作れますがシレン6 は完全新作、流用できるものはほとんどなにもなくゼロからのスタートです。そもそも開発期間が三年。これは昨今のフルプライスゲームではかなり短いほうです。

そんなときに PC 版を同時にリリースする余裕はとてもなかったと思われます。PC 版とニンテンドースイッチ版、どちらかしか出せないときにどちらを優先するべきでしょうか。

はい、もちろんニンテンドースイッチ版ですね。リーチできる客層が明らかに違います。

海外に売ることを考慮すると PC 版を優先する選択もありえますが、シレン6 は海外版を後から出すことになっていますし翻訳も間に合わなかったのでしょう。

追記: シレン6 での細かい改良点について

  • 低層のモンスターのバリエーションが豊富になっている

  • 悪名高き CHUNSOFT マップ(一方通行マップ)の削除、ただし迷路は複雑化している

追記: シレン4, 5 はなぜ生まれたのか?

私はシレン4, 5 は熟練者向けに作られたと考えています。

従来のシレンシリーズは初代で基本システムが完成し、シレン2 でそれを拡張しほとんど完成の域に達していました。

このまま過去作を拡張した新作を作っても似たようなシステムとダンジョンになるだけでユーザーを楽しませることは難しいのではないか、偉大な過去作を越えるには挑戦的な変化が必要と考えたのではないでしょうか。

シレン4, 5 のダンジョンは個性的です。二撃ダンジョンはとくにそうですしレベルが上がらないダンジョンに、アイテムを置けない高難易度のダンジョンもあります。従来のシレンシリーズに慣れたユーザーに新しい遊びを提供する、それがシレン4, 5 の開発目的でしょう。

ただ、これには重大な問題がありました。ほとんどのユーザーが過去作の大きな変化に付いてこれなかったのです。なぜならもっと不思議 99F をクリアして過去作を遊び尽くしていたのは開発者と一部の上級者のみであり、システムに大きな変化を必要としてはいなかったのです。

ほとんどのユーザーはあまりに仕様が異なるシレン4, 5 に拒否反応が出てしまいました。シレン4, 5 は夜システムばかり批判されますが、それは明らかに夜システムだけが原因ではありません。

マンネリを打破するために、風来のシレンシリーズには変化が必要かもしれません。しかしシレン4, 5 のときは大きな変化をするには早すぎたのだと思います。

追記: 偉大な過去作を移植するべきなのだろうか

風来のシレンの過去作(2, アスカ)を移植してほしいというファンが多いですが、これは慎重にするべきだと私は思っています。

過去作は当時の作品として考えるともちろん完成度が高いのですが、現代の作品と比較するとボリュームも少なくて UI が不便です。

これをそのまま出すことはできないでしょう。過去作を移植するなら本気でやってほしくて、新作並の予算が必要です。これは風来のシレンの新作を出すよりリスクが高いと思います。

そして、ユーザーは本当に過去作が遊びたいのでしょうか。

風来のシレンのストーリーというのは他の RPG とは異なりストーリーそのものを楽しんで何度も遊びたいものではないと思っています。移植を要望する目的は明らかに過去作の要素やダンジョンのはずです。

これは本当に新作で実現不可能でしょうか。ユーザーが新作に失望しているから過去作に逃げているだけではないでしょうか。シレン6 で肉システムが復活したように、新作で過去作の要素を取りいれることは可能です。

完全新作のシレン6 ですら完全新規ユーザーは少ないのに、過去作のリメイクになったら本当に既存の一部ユーザーが喜ぶだけの代物になります。

追記: シレン6 に批判的な記事の分析

シレン6 に批判的な記事がありました。この人がシレン6 に批判的な意見を持つ理由はよく分かるので、なぜ彼はそう思ってしまうのか分析してみましょう。

この方はトルネコ3 やシレン5 が好きで、かなりの熟練プレイヤーと見えます。

その結果、序盤の事故を減らすためにHP回復速度を上げたのに、対抗して敵を強くした事により序盤の事故が増える本末転倒な事態になった。

初心者に厳しすぎないかという意見については、上で既に紹介したので省略します。これは大きな意図があってのものです。

シレン5には、原始に続く穴、地底の館全区、おにぎり穴、人生の落し穴、運命の地下等々、難易度も楽しさのベクトルも違う99Fダンジョンが多数存在した事を踏まえると、物足りなく感じる。50Fでもいいので、持ち込み不可の深いダンジョンが1つ欲しかったと思う。

クリア後ダンジョンが浅いのは、もちろんその特殊ダンジョンを単体で楽しませるためではないからですね。シレン5 ではむしろクリア後に難しいダンジョンが多すぎたので、シレン6 ではユーザーが混乱しないようにシンプルにしたのだと考えられます。

まず、今作のバランスを簡潔に言うと大量に出てくるお化けフィジカルのモンスター達に様々な強力道具やイベントで対抗し、終盤はてきとーにあしらう …というバランスである。

この指摘は正しいです。しかし、これこそ原点回帰ではないでしょうか。初代のバランスがちょうどこれだと思うからです。シレン4, 5 で大きく変えてきたのは、このようなダンジョン攻略にしないためでしょう。

6.ドスコイ状態

この方はドスコイに否定的ですが、ドスコイ維持の冒険を一度やってみるとゲーム性が変わって楽しいと思えるはずです。

クリア率が記録されるのにも関わらず、1Fに即死罠を配置する雑な作り

こちらについては、序盤死ぬのは仕方ないよと何度もリスタートさせる作りと思えています。クリア率については正直あまり細かい数字を気にしないほうがよいでしょう。そういうゲームでないように見えます。

番付が無い

こちらはスコアを稼ぐためには稼ぎが必須になってしまいテンポが悪くなるのと、不正をさせないためのようです。スコアの計算は風来救助にのみ一部残っているようです。

私が色んな感想を見て思うのはシレン5 を好意的に遊んでいた人ほどシレン6 のバランスに疑問を持っており、シレン5 に馴染めなかった人ほどシレン6 を受けいれているように思えます。シレン5 はいわば「未来のシレン」であり、シレン6はよくも悪くも原点回帰しているのは間違いないのです。

シレン6で風来のシレンを学んでこそ、シレン5 の路線は再評価されるのではないかと私は思っています。シレン6 は分かりやすく楽しくて爽快ですが、悪くいえば雑で大味です。シレン5 にはシレン6 にはない魅力があるはずです。

※1: シレン2と並ぶ名作として一部で評価されているアスカ見参ですが、あれは「シレン2の高難易度版」だと考えています。

発売したプラットフォームが悪かったと思われるかもしれませんが、そもそも高難易度版のゲームなので売れなかったのです。

高難易度の作品は普段の作品の 30% 以下の需要しかないのですから。アスカ見参を大好きな不思議のダンジョン初級者を見たことがありません。

※2: もはやシリーズの顔といってよいほど有名なチンタラですが、実はシリーズ皆勤ではなくシレン GB で初登場したらしいです。あまりに馴染んでいるので気付きませんでした。

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