055 2024-11-23 「砂糖の世界史(川北 稔)」感想

sikako
·
公開:2024/11/23

岩波ジュニア新書の中でも名著として名高いものだからずっと気になっていた

一言でいうと「砂糖」を通して見た近代世界史について書かれている本なんだけど、中高生向けの平易な文章で書かれているから大人でも読みやすい

16〜19世紀のヨーロッパ史はあまり触れていなかったけど、用語だけは覚えがある懐かしい世界史ワードが出てきて、「そういえばそんなのもあったなぁ、こういうことだったのか」と思いながら読んでいた

砂糖の「甘さ」は誰もが好むもの

だからこそ「世界商品」になることができた

一方で作れる場所に限りがあること莫大な労力が必要となることが世界に大きく影響した

砂糖や綿織物のような「世界商品」の大量生産のためにもたらされた産業革命のような生産力の向上といったプラスの影響も確かにある

「大航海時代」から世界を知った西欧諸国が植民地化を進めたことで、かつての「新大陸」のアメリカの先住民、奴隷として植民地に安価な労働力として連れてこられたアフリカ人、これらにもたらした負の影響が数百年経った今も続いていることは忘れてはならない