018 「歴史学の始まり ヘロドトスとトゥキュディデス(桜井 万里子)」感想

sikako
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古代ギリシアの超大作歴史書2作をいきなり読み始める度胸がなかったので、安かったし二人の著者について書かれている本を読んでみることにした

ヘロドトスはペルシア戦争について、トゥキュディデスはペロポネソス戦争について書いた人

ヘロドトスとトゥキュディデスは共に亡命者

この二人の生きていた時代には「歴史」という概念は存在していない(あくまで探究・調査として書いた)

執筆姿勢は明確に異なり、ヘロドトスはペルシア戦争にまつわる事なら、後の時代に忘れられないように神話伝承でも書く

とても現実的とは思えない「嘘」のようなことばかりが書かれていても、当時の人たちの価値観や世界観を見出すきっかけになる

一方トゥキュディデスは自分が目にした事や他の人からの伝聞をできるだけ正確に検討した

でもそれは女性や非市民階級のような表舞台に出てこない人たちを書かないことになる

一言で言ってしまえば、ヘロドトスが学際的な歴史学の見方をしていて、トゥキュディデスがいわゆる典型的な歴史学の見方をしている

二人の比較は勿論だけど、近年の研究動向がメインで書かれていた

もちろんトゥキュディデスの方も読みたいんだけど、読み物として面白そうなのはヘロドトスの方かなー