023 「ギリシア悲劇(2)(筑摩書房)」感想

sikako
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ギリシア三大悲劇詩人の一人、ソポクレスの作品を収録

活躍した時期がアテナイの全盛期からペロポネソス戦争で没落していく頃

「オイディプス王」はギリシア悲劇最高傑作なだけあって、颯爽ともいうべき展開で「父殺し、母と交わる」罪への真相に突き進んでいく

昔岩波文庫版を読んだけど、こんな展開早かったっけ?ってくらいトントン進んでいった

「ピロクテテス」は初めて読んだけど、無人島に置き去りにされたピロクテテスとアカイア勢では新入りのネオプトレモスのやり取りがいい

トロイエを落とすのにピロクテテスが持ってるヘラクレスの弓が必要だから騙して持ってこうとするんだけど、純真無垢な若者であるネオプトレモスにはそれができないんだけど、心を込めた説得して最終的にヘラクレスが出てきたおかげでピロクテテスを仲間にする事ができた

てか、毒蛇に噛まれた傷が臭いからって無人島に10年置き去りにするなんてオデュッセウス酷すぎぃ!

そら、オデュッセウスとアトレイダイに対して頑なになるわな…

でも全部神の思し召しであって、儚い存在でしかない人間にはどうしようもない

だからこそ、人の道に従った行為をした者に最終的な救いがある

その葛藤が悲劇として表現されている