033 「赤と青のガウン(彬子女王)」 感想

sikako
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mastodonだったかBlueskyだったかで見かけて気になっていたので読んでみた

オックスフォード大学の留学記っていう時点で面白いのに、その中に皇族のリアルが垣間見えるからさらに面白い

自己紹介をするときは「彬子女王です」って言うんだーって思ったのが印象に残っている

(そのせいで某省庁から出向で来ていた日本人留学生の人に「アキコ・ジョーさん」ってしばらく勘違いされていたエピソードは草だった)

コラム形式で各エピソードが短いこともあるけど、聡明かつチャーミングな著者の人柄が筆致に出ていて非常に読んでいて心地よい

そして自然体で言葉遣いが非常に丁寧である(自炊エピソードでは、自分が「食べる」サラダうどんにも「いただく」と書かれている)

お父様が出てくるエピソードでは言葉遣いが尚更丁寧になるのは流石である

「草だった」とかいい歳した大人なのにネットスラングしか出てこない自分が恥ずかしくなるぜ…

自分も大英博物館でお宝探ししてー!

というより、自分の興味関心のある分野で活躍すること自体がハードル高いというのがまざまざと見せつけられてしまった…

(どんなに優秀な人でも日本ではパイが限られているし、じゃあ海外で活路を見出そう!としてもそもそもとして現地の人とコミュニケーションを取れるレベルで外国語ができないとお話にならない、それ以前に人文系学問を究めようとすると「そんなの勉強して何になるの!?」って周りから言われて普通はそれで終わる)

色々な背景はあるにせよ、ご自分の努力でオックスフォードで博士号取った彬子さまはまじで凄すぎる

あとロンドン大学SOASのアンガス・ロッキャー先生の「Think small.(小さく考える)」と「Always think about a question.(いつも質問を考える)」は、仕事をしていく上でも大切なことだと思うから、心に留めておきたい