『BE:FIRST ARENA TOUR 2023-2024 “Mainstream”』感想

silk801
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▼日時・会場

2024/2/23(金)17:00 宮城・セキスイハイム スーパーアリーナ

▼感想

スターダムに駆け上がる前夜の少年たちの今しか目撃できない一瞬の煌めきを目の当たりに出来て楽しかった……本当に今が一番旬の芳しさを味わえる、という感触でこのライブを行くことを決断したのは正解だった。

音楽の日のダンスコラボでSOTAさんのダンススキルのあまりの高さに度肝を抜かれて、それから楽曲とYouTubeに上がっているMVやパフォーマンス動画のみを履修して参加したので、RYOKIさん以外は人となりを把握しないまま今回の現場に臨んだのだが「あっそういう感じのノリなのね!」という新しい発見が色々あったのも良かった。SOTAさんLEOさんにおんぶしてもらってた……。

SOTAさんは圧巻のダンスパフォーマンスで、「私は今観たことないものを観ているな」という感覚を味わわされたんだけど、スキル一辺倒という感じでは決してなくて物凄くパッションの人でもあり、“青い炎”という感じでかっこよかった……。MCタイムとか何気なく音が鳴ってる時でもゆるっと踊っているのを観ることが出来て、ああ!ライブの醍醐味だなあ!と感じ入っていた。血液に音楽が流れているような人だ……。

RYOKI名人は“陽気な外タレ”か“元気な子犬”か“王子様”かという振り幅がすごくてアトラクションみたいだった笑 世界観が完成していてパフォーマンスに物語性があり、LDHで喩えるとネアカで明朗快活な川村壱馬という感じ(壱馬さんを根暗で陰気みたいに言うな)場を喚起させるパワー、観客をロックする求心力がありRYOKIさんが吼えてると血が沸き立つ感じがした。メンバーとも積極的にアイコンタクトやシェイクハンズやハグしにいって行っていてチャーミングで目が離せない魅力的な人だった。

MANATOさんはLDHfam的にはTAROメンの真人くんであり、この動画MANATO(BE:FIRST) x 砂田将宏(BALLISTIK BOYZ) が「休日」をテーマにプレイリストを共作! | Mix Up | ... https://youtube.com/watch?v=r5sPS_ExKk4&si=MF_qvKik0eDefl3H とか胸熱だった訳ですが……。8割くらいSOTAさんのダンス目当てに会場に足を運んだので、いざライブが始まり「オオッ!?ダンスがバチクソ上手い人がいるがあれは誰だ???あっMANATOさんだ!!!」と衝撃を受けた。SOTAさんはヒットの強さが持ち味だが、MANATOさんは上半身のアイソレーションが上手くそれがしなやかかつ情感豊かな表現に繋がっていて、アグレッシブでbpm速めの曲はSOTAさんを、ミドルテンポでしっとりめの曲はMANATOさんを主に見つめることとなった。これは根拠のない確信だが、MANATOさんはゴリゴリのR&Bを踊らせたら大変映えると思うのでSKY-HI大先生におかれましては、BE:FIRSTにコテコテR&B楽曲を当てて頂けくのはいかがでしょうか……。それにしても自分の好きなダンスの基礎というか「出汁」ってやっぱりEXPG系列店の味なんだなあと再確認した、というかさせられた。

LEOさんは正直開演前までは「ラヴィットに出ている人」というイメージしかなかったのだが、いざ動いているところを観たら、振りはダイナミックかつ繊細さもあり、スタンドマイクパフォーマンスは特に華があって良かった!上背があるのでドームでも映えるでしょうね。そしてファンサが凄かった。「点のファンサ」というより「面のファンサ」という感じで辺り一帯フィールド魔法に掛かる。なんか3回くらい目があった気がする……。元気を分け与えられる人だという印象が残った。

主にこの4人を追うことでキャパオーバーだったので、JUNONさん・SHUNTOさん・RYUHEIさんについては特記できることがないが、正直ライブ前までは顔と名前が曖昧だったこの3人も今や完全に視認できるので、履修の一番のスピードラーニングは写真や映像よりも生のライブだよなあ!という思いを新たにした。

セトリや構成については、まだ成長の余地ありという感じで、もう少しコンセプトとストーリー性をしっかり固めて映像演出と実際のパフォーマンスがリンクするような内容が欲しかったかなと思う。突然の学パロ(学パロではない)何事かと思った。自分はとにかく「こちらを座らせないでくれ!もうずっと立ちっぱなし手上げっぱなし声上げっぱなしのノンストップフルスロットルのライブを頼む!!」というタイプなので、折角バンドセットのScreamで会場のボルテージが最高潮になったところでトーク映像が挟まってしまうのはテンションのもったいないおばけ(テンションのもったいないおばけ?)が出そうだった。観客もそうだけど演者の体力的な問題もあるので中々難しい面もあるが、なるべく「休憩タイム」を設けないような没入感のあるライブ作りを期待したい。 …とまあ、色々書いたが正直アンコール演出のかっこよさにシビれて些末なことはどうでも良くなってしまった。アンコールだからといって複数曲しなければならないという固定概念を打ち破ってくれた。2023年の勝負曲でもある"Mainstream"ただ一曲だけをやって去る――その姿勢に彼らの矜持を感じ、また「これからも追いかけてみたい」と思わせるいいライブだった。