いますぐにやれ,と言われたりするようなことは,基本的に今すぐにはできないということが,人間にとっての永遠の課題であると一般に知られている(要出典).一息ついていたら気づいたら2時間が経過していたときのような.コーヒーがいつの間にか冷めてしまった時間のような流れの速さ.昼飯につけ麺大盛りを食べたあとの,うつらうつらとした脳の感覚.埋まっていない研究費の申請書を眺めながら,進捗ではなく駄文を書き散らしているときとか.時間というものはどうしてこう御しがたいものなのだろう,と私はいつも思わされている.
「気を練る時間」というものが,私にはかなり必要である.机に向かってから作業を始める時間である.そんなものはない,という人はすぐにでもブラウザバックしてほしい.それがない人にとっては,今から語る話は愚民の戯言でしかないのだ.
私は作業を少し中断して,何かをして,また中断してということが非常に苦手である.つまるところ,「マルチタスク」に非常に慣れていないし,去年はそれに取り組んでみたものの散々な結果に終わった.このような自分の性質がありながらも受験その他でなんとかなってきたのは,低調ながらも自分の時間を大量にベットすることで賭けに勝つというパワースタイルというか,大艦巨砲主義というか,そういった生き方をしていたからであろう.9:00-23:00まで24/7で勉強をしてぐっすり寝る,みたいなことをしてきたらなんか東工大は受かった.まあAO入試なので誇るようなことでもないし,もっと真面目にやってたら出身大学に工業の2文字なんかついていないだろう.まあ,そのおかげで今の研究室に居られることになったので結果としては上々だったと思う.博士を取ったら研究室で過ごした振り返りなる怪文書を生成しよう.志望者は増えるか減るかはわからないが.おそらく後者になってしまうかもしれない.そしたら謝ろう.
さておき,自分はそんなたちなので,必然的に諸々が歪んできた.体調とか,メンタルとかメンタルとか.いや,性格はもともと歪んでいるので如何ともしがたいか.それなりに実害というものはあって,毎度ボスやメンターには迷惑をかけている.去年の結果も酷いもので,NLPには気合と根性を以て提出することができたが,8-11月はほとんど進捗をしていない時期だったような気がする.思い出したくもない.ずっと進捗をしていたら人並み程度にはなれているはずなんだがな.
しかしながら,そのような爛れた生活もついに終わりを迎えることになる.いや,外圧によって終えなければならない状況に追い込まれた.私の周りに存在するのは研究に対して自分より長時間を嬉々としてベットする,というかオールインしているような変態どもである.そのような世界に放り込まれ,しかも彼らは世の中を真っ当に生きているために,時間の使い方というものを体得している.何が問題かといえば,私より高効率で高稼働であるなら,私には勝ち目はないのだ.いや,勝ち目とかそういったもので何かを語るべきではないのかもしれないが,つまるところ私は近い将来なんらかを失うのである.業績か,精神か,自尊心か,健康か,そのいずれかか.
もしも何かを失うのであれば,それはbad habitを失いたいものである.しかしながら習慣というものは恐ろしく,良い習慣は身につかない上に続かないし,悪い習慣はすぐに身についてなかなか離れない.悪銭は身につかないし,どうしたものか.えてして世の中というのはそう簡単に生きていくことはできないらしい.
今後は慎ましやかに,自分のできる範囲での努力を続けたいものである.この文章を書いて公開するまでに2ヶ月の気の練りが必要だった.書いては消し,書いては寝かせて,存在を忘れて,思い出した頃には再び描き始めるのが億劫になっているのが定番である.活性化エネルギーの障壁があまりにも大きいというか,自分の静止摩擦力がデカすぎて動き出すことができないというか.そもそも言い訳が長すぎて話に入るまでにダレてしまうとか.その辺がだいたい良くないんだ,いつもこうだ.誰もお前を愛さない.閑話休題.
博士課程に入学することになり,自分の面倒を見ながらも,学部生や新たに入学してきた修士課程の学生のサポートも手を貸していけたらと思っているし,研究費らしきものを獲得するために,自分の研究をアピールするというすべを身につけていかなければならず,やることは盛りだくさんで,この先おそらく単調に増えていく.私は賢いので知っているんだ.偉い人は偉くなるほど無限に会議をしている.自分みたいな下っ端は自分のやれることにあくせくしているくらいがちょうどいいのだ.
やれるうちに,やれることをやっておく.
どうやら人生は短いらしいので.
追記
Sizu.meのページはムードなる背景追加機能があるらしい.雨にしてみた.いつも心は雨模様である.思い出はいつの日も雨.侘しさがつのる.2000文字程度の駄文は書けるのに研究費申請書や論文は全然書けないのはなぜ.