いつからだったか忘れたが、読書の時には手元に付箋を置いておくようにしてる。
最初の方は色々なタイプの付箋を渡り歩いたが、今は文庫本の一行と同じくらいの幅の、何色かがまとまっている半透明の付箋に落ち着いている。枚数だけで言えば凄い数入ってる付箋。
それで読み進めるうちに印象に残った文章、気になった文章、好きな表現、好きな場面なんかに出会った時にペタっと貼り付ける。正直付箋を貼る基準はその時の自分によってバラバラだが、これだけで、自分のその時の興味を持つ対象や傾向なんかが何となくわかりやすくなる気がする。後から「この本どんなのだったっけ」と気になってパラパラめくる時にも、付箋を目印にできて楽しい。
以前は専用のノートを用意して、読了後に付箋を貼った箇所をひとつひとつ見直していって、ノートに書き貯めたりしていた。何となく好きな言葉が自分の中により入ってくるようで嬉しかったからだ。いつの間にかやらなくなっていたが、またやってもいいかもしれない。
本によって、読了後やたらたくさん付箋が立った本もあれば、数本、あるいは全く付箋が立っていない本もある。本によってかなりばらつきがあると思う。
しかし、別に付箋の量の多少がその本の自分にとっての価値の全て、などというわけではない。どの物語にもそれぞれ違った良さがあり、性質があり、それは自分の付箋の数ごときで簡単に測れるようなものではないからだ。
何かが似ていても、全く同じ本は存在しない。一冊一冊の本は個性にあふれている。だからこそ、本との出会いは人との出会いと同じくらい楽しい。