一時期は毎朝Caféに寄って、その店でその日おすすめの珈琲を買ってから出社するのが日常だった。チェーン店も嫌いではないが、個性的なお店が好きで、そういえば昔はスタバも店舗毎に個性があって、各席とも違うソファーだったりしたなぁ。自分のお気に入りの席が埋まっているとがっかりしたもんだ…などと思い出しながら、濃い珈琲とともに仕事をスタートさせていた。
それはおそらく、80年代のNew Yorkerに憧れていたからかもしれない。冬の朝、スチームの蒸気がマンホールから立ち上る寒い朝、Yellow Cab(=スラングやタレント事務所ではない)がクラクションを鳴らしまくる喧騒の中、コーヒーと新聞を片手に急ぎ足でManhattanを歩いて行く姿に、自分の未来を重ねていたこともあった。
余談だが、結局911以降自分の好きなNYは完全に消えてなくなってしまったので、結局New Yorkerにはならず(なれず?)、今も日本にいる。
その一方で、のんびりしたいときにはCaféではなく、喫茶店によく行っていた。自分はタバコを吸わないが、紫煙の香りが嫌いではなかったので、多少であれば分煙室などがないお店でも平気で過ごすことがあった。
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コロナ禍で仕事環境がオフィスからテレワーク中心になり、オフィスに行くにもCaféを経由せずに行くことが増え、濃い珈琲を飲む回数が減り始めたころ、稀に珈琲を飲むと頭が痛くなるようになった。いわゆるカフェイン中毒になっていたのかもしれない。
結局いまは出社時にCaféに寄らない習慣が身に付き、また喫茶店でのんびりすることも減ってしまった。
喫茶店なんて珈琲以外にもたくさん飲み物があって、楽しみ方も色々あるだろうに、どうしても喫茶店に行くと頑なに珈琲を、それも冬はもちろん夏でもホットの濃い珈琲を注文したくなる。
「本当は一緒に食べるパンプキンプリンと、その珈琲との組み合わせが好きだから」という理由なのは、ここだけの秘密だ。