ロルバーンが好きな話

しずねの小径
·
公開:2024/7/28

なにかを集めるのが好きだ。

この感覚が芽生えてしまった最初の要因は、子供の頃に集めていたポケモンカードが始まりかもしれない。

すっかり大人になった今も、映画や展覧会のチラシを持って帰ったり、旅行で立ち寄った神社の御朱印を集めてみたり、スタンプラリー参加してみたりと、なにかを集めることが好きな気持ちは翳りを見せない。

大抵は小さなカード、ポストカード、チラシといったあまり嵩張らないものが多いのだが、そんな自分の集めるものの中で、そこそこ保管に嵩張るものが『ノート』だった。

ただのノートではない。デルフォニックスのオリジナルブランドであるリングノート『ロルバーン』を集めるのが好きだ。

ロルバーン

ロルバーンというのは、ドイツ語で滑走路の意味だそう。メーカーであるデルフォニックスのHPを開くと、商品紹介の一番上に書いてある。このリングノート、誰もが一度は文房具屋さんで見かけたことがあるんじゃなかろうか。

よく見かけるのは、A5サイズのリングノート。バンドで留められるのと、後ろのページにはビニールポケットが付いているので、小さな紙類を入れられるのが特徴だ。中身は薄黄色の方眼紙になっていて、無地のノートに比べると、文字が書きやすい印象を受ける。

普通に使っていても結構使いやすいノートなのだが、このノートにファンが多いのは『表紙』のバリエーションの多さなのだろう。通常の文房具店で見かけるこのノートの表紙は黄色や紺色などの単色無地のものが多いが、直営店で取り扱われるものの中には期間限定の柄や、ご当地限定もの、最近だと展覧会限定のものがあったりする。

人気が出た絵柄や、展覧会限定の表紙は、販売からすぐに売り切れてしまうというから、ロルバーンというブランドの人気の高さが伺える。

昨年上野の森美術館で行われていた『モネ 連作の情景』に行ったときに、(あ、ロルバーンあるじゃん、買っちゃおうかな〜)と軽いノリで物販に並んだところ、会期はまだまだ残っており他の商品の売り切れもほとんどなかったがロルバーンだけは全種類売り切れになっていたから驚いた。

いましめの手持ちロルバーン紹介

で、何でこんな話を書いているかというと、まぁ、自分はこのロルバーンを集めているわけだが、部屋の掃除をしていたところ棚にしまわれていたロルバーンたちを発見した。そう。たち、である。一冊とかそういう量ではない。

買ったままの状態で静かに棚の中で眠っていたロルバーンの量を見て、「ちょっと買いすぎたな」と気がつき、今後「買いたい」と思った表紙と出会った時に、ノータイムでレジに向かわないようにするするための、いましめとしてこの記事を書くことにした。

ではとりあえず紹介コーナー。

  1. 横浜限定ありあけのハーバーコラボ

地元に限定ロルバーンあるじゃん、と買ってきた2冊。横浜銘菓?のハーバーとのコラボということで、実際のパッケージにも使われているイラストがロルバーンの表紙になっている。

右がみんな大好き『横濱ハーバー』、左が『ベイブリッジサブレ』に使われています。

気に入っているのは、左側のノート。リングが赤、表紙のロルバーンの文字は青の箔押しとなっていて、イラストとマッチ、そして涼やかな港街のイメージを感じられて地元愛がさらに深まる一冊。

  1. 早川書房コラボ

確か、どちらも大手書店で購入したような記憶がある。

左はおなじみシャーロックホームズ、右はジョージ・オーウェルの『1984年』のデザイン。

早川書房にホームズのイメージがなかったのだが(パスティーシュはよく出てるイメージ)『シャーロック・ホームズの冒険』が上下巻で出ていると知ったので、今度買ってみようかな。ノートはチェックが可愛いですね。

『1984年』はディストピア小説の中でも特にお気に入りの作品で、トートバッグなども買っているので、ノートを買うのは必然……。赤の箔押しがビビッドになって、おしゃれな一冊。

Amazonとかでも買えるので、気になった人はぜひ。

  1. 文具女子博限定シリーズ

文具女子博という可愛い文具が集まるという即売会イベントに、過去2回ほど行ったことがある。年末くらいだったかな?東京流通センターで毎年やっていて、最近は他の都市でもやっているらしい。

このイベントのデルフォニックスブースの目玉は、限定絵柄もそうだが、自分でロルバーンの表紙・バンド・中身の紙を選んで作ってもらえる、カスタムロルバーンだろう。画像の下2枚がそれにあたる。どちらも、バンドは水色、中身は水色の紙でカスタムしてある。

自分でカスタムした、という事実が、このノートを使うことに非常に抵抗感をもたらしており、永久保存の未来が見えて……?

  1. ご当地建築絵柄シリーズ

唐突だが、自分は建築が結構好きだ。特に、ビルとか、レンガ建築とか、タワーとか、橋とか、ダムとか、そういうデカイものが好きだ。それがモチーフになっているロルバーンがあると言われると、そりゃあ思わず買いたくなってしまう訳で……。

左側2冊は東京駅の丸の内駅舎の表紙の2冊。ドーム部分を切り取ったのが少し前に販売されていた絵柄で、正面に望んでいるのが現在のバージョン。

右から二つ目の赤レンガは、所変わって北海道の道庁だ。現在絶賛修復作業中だが、来年には工事が終わるらしいので、新しい絵柄こないかな〜とか思っている。

一番左はご存知スカイツリー。ソラマチのSmithで購入したものだ。

  1. 直販限定絵柄シリーズ

デルフォニックスの直営店のSmithでは、季節によって限定絵柄を出すことがあるので、めちゃめちゃ気に入った絵柄があった場合、言い訳をしながら購入している。

一番左は、今年買ったばかりほやほやの夏の箔押しシリーズ。花火大会、絶対行かないから、これで代用。左から二番目は、毎年おなじみ桜シリーズ。スタバの桜と同じくらい毎年見るので、安易に買わないようにしている。

右二つはあんまり覚えていないが、多分何かの限定の時のやつだろう。

表紙の絵柄にも惹かれるが、ロルバーンの文字の箔押しの美しさも購入動機の一つになる。

  1. 成田空港限定

こちら最近一気に増やしてしまったシリーズ。

成田空港には元々デルフォニックスの直営店であるSmithの店舗があったのだが、数年前に閉店。それが、今年6月に再オープンしたと聞いて、行ってきました。車で!成田に!遠かった!

以前からあった絵柄に加えて、今回、写真真ん中の富士山バックに飛行機が飛ぶ絵柄が追加されている。この淡い桃色に染まった夕暮れの空が非常に美しくて購入。

滑走路を意味する『ロルバーン』なら、滑走路のノートは必要じゃん?とかなんとか言いながら右も買って、「アメリア・イアハート!」と謎の言葉を呟きながら左も買いましたとさ。

そもそもお前ノート使ってんのか

さて。

完全未使用のロルバーンが20冊近くあるという悪夢のような事実を確認できたところで、そもそもお前はノート使ってんのかという話をしていこう。

見栄を張ってもしょうがないので、ぶっちゃけこれまでロルバーンはあまり使用してこなかったことを懺悔する。そもそも、一冊まるまる使い切ったことはまだないと思う(そもそも100ページくらいあるんだわ、このノート!)

何か思いついたことをメモするときは基本アプリを使っているし、日記を書くような几帳面さはないし、そもそもロルバーンではなく他のノートを使っていることも多かった。

とはいえ、使わないと減らないなと思ったので、今年からちょくちょく用途によってノートを変えて、文字を書くことを始めた。

現在使っているノートは以下の5冊だ。

  1. 横浜あれこれ調べるノート(横浜限定ハーバーコラボ)

地元がそこそこ好きなので、時間があると横浜市の史跡や博物館・美術館に足を運んでいる。訪れた後、情報整理、思考整理用にノートに書き留めるということをやっている。

あと最近、横浜が舞台になっているゲームやら映画やらにハマることが多いので、作中に出てきた場所のメモだったり、史実と作品内の歴史の考察などをまとめてたりもしている趣味ノートだ。

  1. 北海道あれこれ調べるノート(北海道限定ノート)

横濱ノートと使い方は似ているのだが、北海道はホイホイ行けないので、主に文献をまとめている。明治の開拓以前のアイヌの神話や歴史だったり、松前藩との交流、維新後の開拓時代などいろいろ。

ポケモンのシンオウ地方・ヒスイ地方が大好きなので、そのモデルになった場所や神話の考察だったり、ゴールデンカムイで出てきた地域のまとめなどを書いているこちらも趣味ノート。

  1. 読書記録ノート(1984年ノート)

あんまり書けていないのだが、一応読書用ノート。

映画でもいえることなのだが、感想を書こうと思った時に、本の場合情報量が多いので、どうしてもいろんなことを調べながら感想をまとめたくなってしまう。そのため、PCに向かいながらメモアプリに書き込むことが多く、文字で書くというのがとても苦手。せっかく読書用ノートにしたので、好きなセリフ・文章だけ直感的に載せる、みたいに割り切ってもいいのかなと最近使用方法を悩み中。

  1. 美術展・博物館記録ノート(昔のホリデー限定柄ノート)

読書ノートと違って、見てきたものについて脳直で感想を書けるのが、美術展・博物館の記録ノートのいいところ。月に2回くらいは美術に浸る日を作っているので、その記録として始めたところいい感じに使えている。

  1. とある実況グループをなぜ自分は面白いと思うのか考察するノート(いつぞやの星空ノート)

多分ゲーム実況者という存在を知らない人からすると意味がわからないし、知ってる人からしてもこいつはノートに一体何書いてるのかさっぱりだと思うのだが、ぶっちゃけ一番これに文字を書いている。

単純な推し活ノートではなく「なぜ自分はそのグループの面白さに惹かれるのか」を考察するノートである。うん、どういうこと?

自分が面白いと思う「主観」の視点と、動画の再生回数などの「客観」の数字を見て、何を面白いと感じたか、ゲームのプレイや、企画のどこが魅力的だったか、を書いている。うん、よく分からない。

とりあえず、自分が今使っているノートの中で、一番人に見せられないものであることは確か。まぁそもそも見せる前提で書いてないんだけどね。感覚が近いとすれば、スポーツの観戦の記録ノートに近いだろうか?いや、まぁ、謎ノートです。ハイ。

他の人よりもちょっと趣味の多い自分は、その趣味ごとに思考を分けたがる癖がある。現行で利用しているノートが5冊あるのはそのため。ロルバーンは表紙は違えども、サイズが同じで中身の紙の色も統一されているので、Aについてはこのノート、Bについてはこっちのノート、と趣味ごとにノートを増やしていけるのが利点だと思っている(そうやって増えていくんですね、分かります)

おわりに

部屋の掃除をすると、意外なことを文字にしたくなる。

片付けって大事だわ。

というわけで、まだロルバーンを使っていない人は、お気に入りの表紙のロルバーンを見つけて、好きなことを書き留めていこうぜ!

@sizunef
ヒトの創作物が好きなだれかです