『千と千尋の神隠し』のモデルっぽい場所の話 -九份編-

しずねの小径
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公開:2024/6/12

『黄昏ニ眠ル街』での街の雰囲気がジブリ映画『千と千尋の神隠し』っぽいと前の記事で書きましたが、現実世界でも映画の雰囲気を感じられる観光地っていくつかありますよね。

自分も以前、台湾の九份山形の銀山温泉に旅行に行ったときに(めちゃくちゃ千と千尋っぽい)と思ったことがあります。

せっかくなので、映画の記憶と過去の旅の記憶を引っ張り出してみました。

千と千尋の街並み

千と千尋の神隠しといえば、和風ファンタジー。

薄ぼんやりとした記憶を辿ると、千尋が働くことになる油屋は巨大な高級温泉旅館のようだったし、その周りの街並みは赤い提灯が下がっている店が立ち並ぶ細い路地が組み合わさった温泉街の様相を呈していた、筈。

そういえば、ジブリ作品って日本でサブスク配信されていないので、こういうちょっと資料として映像見たいな〜という時に痒いとこに手が届かないもどかしさがある。

しかし!

映像はすぐに見れないものの、スタジオジブリの公式サイトでは、作品の場面写真が提供されている。一作品ごと50枚ほど掲載されているので、大変見応えがある。懐かしいな〜と眺めているだけで、一時間くらいは余裕で時間が過ぎていく。「常識の範囲でご利用ください」とのことで、ありがたく引用させていただこう。

まずは序盤から2枚、トンネルをくぐった先の街並みがわかる写真を持ってきた。お父さんとお母さんが無事に豚になった後、千尋が街を駆け抜けるシーンで街並みを覗くことができる。

自分の記憶の中の印象だけだと、東洋チックな建物が多いかと思っていたけれど、そういうわけでもなく、意外にも洋風の建物が多い。

次に千尋が働く油屋。こうして見るとかなりデカイ温泉旅館。建物自体は赤く塗られているが、油屋自体には提灯は下がっていない(まぁここ湯屋だからね)

橋のラストシーン。温泉旅館の前と赤い橋がセットで背景に写るシーンは感動もの。


ちなみに出典サイトはこちら(その他のジブリ作品の画像も見れるぞ)URL:https://www.ghibli.jp/works/chihiro/#frame

赤い提灯の・九份

さて。

作品内の街並みも確認できたことなので、現実世界の方を見ていこう。

台北からバスに乗って二時間弱くらいで到着した気がする、海の見える山間の観光地『九份』。

元々は、十九世紀の終わりに金が見つかり、金鉱の街として栄えた町で、日本統治時代に鉱山の開発が進められた。色んな人の旅行記をネットで読んでいたら、近くには統治時代の名残の神社跡もあるらしい。

山肌を縫うように細い路地や階段が続き、茶屋や旅館などが立ち並ぶノスタルジックな雰囲気を持つ町は、閉山後、次第に観光地となっていったとか。

学生時代に台湾旅行に行った時は台北から足を伸ばして、昼食後から夕方くらいまで半日ほど滞在した。

週末に向かったせいで、ものすごい人の波を掻き分けながら石の階段を踏み外さないように必死に歩いていた記憶がある。本当にすごかった。特にメインストリートの混雑はコミケの島中で身動きが取れなくなっている時を思い出した。街が提灯の明かりに包まれる夕暮れ時から夜にかけてが混雑のピークだ。

(人がほんとすごかった。雑に顔を消しています。)

千と千尋の油屋っぽいとネットで噂の「阿妹茶楼」というお店がこちら。混んでいたのでお店には入れず。狭い路地の石段を登った先にある赤い提灯が並ぶ茶屋。油屋には赤提灯はなかったが、千と千尋の世界『っぽさ』は確かによく感じられる。

提灯が灯る海を望む九份の町の中でも、最もこの町らしい場所の一つがこの茶屋のある豎崎路なのだろう。

場所によっては静かな通りももちろんある。


九份で有名な食べ歩きグルメといえば芋団子(芋圓)、もっちもっちの芋団子(タロイモとかさつまいも製らしい)、結構な量があったのでめちゃくちゃお腹いっぱいになったとさ。

あと、海に近い街ということで、高台からは東シナ海を望むこともできる。この日は天気が悪すぎでしたが、きっと美しい青い海が見れるんでしょうね。

観光地の猫ちゃん

ちなみに、観光地あるある、おぬこさまも九份にちょくちょくいました。店先にいる子が多くて、店内に思わず足が向いてしまうという。可愛い看板猫たちでしたね。

流石に海外だったので撫ではしませんでしたが、いやー可愛かった。


思いの外長くなったので、銀山温泉編は次回に。

@sizunef
ヒトの創作物が好きなだれかです