落下の王国をみたよ

しずや
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公開:2026/1/4

みたいなーとおもってたけどそうこうしているうちにタイミングを逃しちゃったぜ…などと言ってたら近くの映画館でまだやってた のでみてきました


ずっと画面がきれいで気持ちよかった

なんかふしぎの国のアリスみたいだったね こどもに語り聞かせる感じでその場その場で語るからよくわからん話になるやつ

あとなんかジョジョっぽいとおもった(何故) 色鮮やかな人たちが砂漠で旅するイメージがなんかかぶったのかな…

ダーウィン有能すぎ みんな彼に頼りすぎよね

視覚的には夢みたいでリラックスしてみてたんだけど 最後までみたらすごく怖いと感じました

つまりスタントマンの話なんですよね

ちょいちょいハードなシーンがあって わーって思うけどさすがに撮影だから安全にやってらっしゃるはずよ いまはCGとかあるし…って思いたかったのですが

あの 最後の 怒涛のあれはつまり ガチなんですよね 最初に昔のお話だって言ってたし

あれはほんとにやってたってことなんですよね あんな あんなの ふつうにしぬじゃん そんな まってくださいよ 


ロイさんがさ しにたくてこどもに手伝わせるじゃん あれ良くないと思います

自殺自体私はやめてほしいけど それにこどもを関わらせるのさあ…そんなん後で自分のせいって知ったらトラウマになっちゃうだろ!やめなさい!という許せなさあった

「しずさんはみたらキレるとおもう」って友人に予言されてたんだけど なるほどココですねという感じ

みてる最中はこんなかんじでロイおまえ…だったんだけど 最後まで見るとそれどころじゃなかったというか むしろみてる私たちがごめんなさいの気持ちになったよ

自殺はたいへん無責任な行いでありマジやめてほしいとおもう

それはそれとして死にたいくらいつらいこともあるよなっていうのは否定せずにはいてあげたいが…


スタントマンって…ひどい目にあうことをみんなから期待されて…そのために存在していて…影の存在ゆえにヒロインと結ばれることもなく…

彼に物語で「死なないで 生きて」っていうことは 現実で生きている彼に「死んで」って求めてることにならないだろうか つらい思いをして死に続けろと…

彼の物語に少女が介入してストーリーを変えていくあたり… 死に向かう彼を少女の純粋な気持ちや物語が癒やしていくみたいなほっこりストーリーとおもえたらよかった そういうメルヘンも私は好きなので でもそうみえなかった

望むストーリーに捻じ曲げられ、真実の叫びは語られずに埋もれる みたいな加害構造をおもってしまった でもそこには一切悪意がなくて ただ祈りとか期待とかの純粋な気持ちでしかないんだよ それがこわい

すてきなお話聞きたさに薬を渡すこどもみたいなことを 我々はやってるんじゃないだろうか それでほんとに死んでしまっても一切自分の関与なんて自覚せずに「起きて」「こんなの嫌」「そんなつもりはなかったの」って泣くんじゃないか

だってほんとにそんなつもりはない それがそんなにたいへんでつらいことだなんてわかってない 見てるだけの人は痛くないんだから そこまでやれなんていってない! 

でも純粋な期待に押しつぶされて飛んで落ちて死ぬひとがいるかも…しれないんだ… という 恐怖…

おれたちは意図せず誰かを殺している

自分の身は 心と体は 自分で守らなければならないと思いました 痛みは自分にしかわからないため どれだけの期待を受けても 自分がどうしたいか自分で選ばなければ…


国宝も自らの命をかけて芸に人生捧げてたとこあるけど あれは本人の意志だし すてきな景色をみられてよかったねみたいにおもえた(ご家族はたまったもんじゃないだろうが) 他人事っちゃ他人事で 窓のむこうの静かな雪景色をみてる感じ

落下の王国は絵としてとてもきれいで明るいのを見せてくれたし 命がけで作品に向かい合ってるという意味では通じるかと思いきや みたあとの気持ちが全然違って なんかこっちは傍観者として自らの罪を考えてしまうんだよな まなざしって暴力になりますかね的な 

舞台は全然遠いのに(国宝のほうが日本の話なのにな)こっちのほうが自分事みたいにみえる 

聞き手が物語に介入してるからかな 舞台上の役者がこっちを向いてるみたいな手触りがあったよ


物語みてるときはちゃんとこっちも「そういうものだ」っていう前提でみますから リアルを追求しなくてももっとすごいのを想像していくからそんな ほんとに命落とすようなことはさあ…そこまでしなくてもいいからさあ…!

現実は幸せであってくれよ 物語は物語だから安心してみていられるんだよおってわめきたくなった

作品を愛するからこそ作り手は守られてくれ…という気持ちと それくらい命も情熱も執念も注ぐからいいものができるんだろうがよって言われたらそれはそうーーーー


入れ歯を入れたオレンジを埋めて いつか歯入りのオレンジがいっぱいなるかもっていう想像についてもおもうところあり

力とか命とかが自分の体でなく入れ歯に宿るみたいに スタントマンの命は自身でなくてその作品なのだって考えたら 

育ったオレンジがたくさん実をつけるみたいに 多くの人にその作品を見てもらって果実の中に歯をみつけてうわー!って笑ってもらうようなことかしら それは確かに希望っぽいしメルヘンとしてもすてき

でも実際そうはならないので 空っぽのオレンジの皮とただの入れ歯が土の中に埋まってて誰にも気づかれないんだよなあ

スタントマンとしてはどっちがいい?

いっぱい木に実った歯入りのオレンジをみて笑うのと 地中に埋められたたったひとつの入れ歯に思い馳せるのと どっちがうれしいんでしょう本人としては

わからないなにも 周りのことなんて どういうつもりかなんて測れないしそもそもジャッジできないものかもしれない 私が選べるのは自分の生き方だけですよ

楽しむべきなのかな…命を削って作られたものはちゃんと楽しまないと失礼かもしれない 憐れむのがいちばん傲慢なのかもしれない

しかし痛そうとか申し訳ないとかそういう気持ちが生まれるの自体は無視できないし 100%で楽しめるかというと 一旦その視点を持つともう不可逆よ

ごはんたべるときに手を合わせて「いただきます」するような…覚悟ごと食べるしかないかも 味が変わっても 

それが大人なのかも こどもは何も考えなくてもいい いっぱい食べて好き嫌いいってればいいけど

豊かに生きてる我々は血の染みた土を踏んでるし 桜の樹の下には死体があるんだ…

(この話ほんとにこんな感想でいいんか)


ところでこれ世界遺産で撮ってますよね

ちっちゃい頃にみたペーパークラフトみたいな形が随所に出てきてたが それで余計夢みたいだな感があったんだが もしかしてとんでもない映像を見てるんでは 誰がそこまでしろといった

しらんけど…こういう…世界遺産が作られる過程でも…しんだひとはいるのかもな… 

すごい高かったり…えこれ人間わざでできる?そんな大昔に?どうやったん?みたいな… これも手作りだったりする?ておもうと なんかこう しらんけど…

すごいからこうやって残ってるんだとはおもいますけど…

でも…

どんなに犠牲があったとしても うつくしいものはうつくしいんだよな 

シン・ゴジラの内閣総辞職ビームでもきれいすぎて泣いたし

きれいなものっておそろしいんだよ

グーグリ、グーグリ、グーグリ

@sizz_ya
みたものにおもったこととか