「EAT」 ながべ
読みたいBLが全部詰まっていた。そもそも獣人とか異形頭が好きなオタクだから、ながべ先生の獣人ものなど信頼しかない。その上、(フィクションにおける)カニバも癖なのでこれは天啓。天啓のBL。生きててよかった。
以前読んだ「モノトーン・ブルー」は爽やかでちょっと仄暗い青春の形を描いていてそれも大好きだったけど、堅物肉食獣受けが「誰かに食べられたい」と言う願望を持っていて、草食獣攻めの飽くなき食欲がぶつかり合う感じ。これ。これなんだよな。「私を噛め」って言った時のルフリア先生が欲を曝け出してるのもあるのか、なんてことないシーンなのにあまりに美しく見えた。グラ君もだけど普段はルフリア先生に敬語なのに欲と言うか己の本能に抗えない時に口調が崩れて詰ったりするの、オタクには大ダメージだった。
同人誌でも良いから続編というか、本当に食べるとこまで見たいし、食べた後のグラ君のことも知りたい。
「ミルクなきみとビターな彼」 渡辺馨
他人の匂いに敏感な経験豊富生意気攻め(年下)×無自覚M良い匂いウブいい子受け(年上)はもう確定演出すぎるんだって。
攻めは生意気だけど可愛いし、受けは可愛いけどちゃんと大人だしでずっと落ち着いて読めた。私は遊び人とか経験豊富な男が本気の恋に落ちる瞬間を主食としているので、受けからの連絡(予約含む)待ってる時とか、受けに告白した後の返事待ってる時のもだもだした感じも可愛くて、実際攻めが普通にいい子だから素直に応援できるいいBLだった。
あと普通に本当にエッチだった。書き下ろしの寝バック最高。
「アフターグロウ」 吾瀬わぎもこ
絵が良い、本当に。疑似精液を作ったり排泄音を研究している本気からくるエロさがある。
傲慢と優しさのバランスが完璧な極道の攻めと仕事のことでトラウマのある医師受けがひょんなこと(本当にひょん)から関係を持つ話だけど、普通に受けのトラウマに感情移入してしまって「ぐえぇ」となった。吾瀬先生、こういう感情の起伏書くのうまいし、その後にそれを慰める攻めがまた良くて、でもその辺りから「これまーた攻めが急に会いに来なくなるやつだ」となった。極道絡むと多い展開だけど、受けがちゃんと攻めとも自分とも向き合ってハッピーエンドだったので良かった。
あと本当に描写が良い。攻めの「お掃除して?」は反則。
「わが美しきヴィクター」 鹿島こたる
帯の「元剣奴の従者兼愛人×尊大な性悪ビッチ御曹司」も確定演出です。
これは性格のよろしくない受けが恋に落ちる姿を見ることができるので非常にいい。最近こういうの減った気がする。攻めが受け以外の男と致す描写もあるけど、クズ攻めを愛し慣れている私にはノーダメだし、従者×主人は端的な下剋上なので「わからせ」という概念もあり、性癖ハッピーセットすぎるな……と感慨深かった。欲しいものは何でも手に入れてきた人間が、一つのものに執着する様って本当に愚かで愛おしいんだよ。
あと1ページ目から画力が凄すぎる。背景とか装飾の描きこみが細かいのと、受けと攻めが初めて出会った時に受けの後ろに太陽みたいな効果があったの、攻めにとっては光に見えたのかなあという気がして「天才じゃん」ってなった。あと描きおろし読むころには受けが可愛くて可愛くて仕方がなくなった。
「魔女の犬」 黒井よだか
「黒井よだか」と書いて「約束された勝利の剣」と読んでいいと思います。あなたの持つペンがエクスカリバーだよ。
「魔女と猫」に出てきた悪役二人のスピンオフ作品なんだけど、「~猫」のほうで夏美が「アイツ(啓悟)の名前を気安く呼ぶな」って裏切り者に言ってた時に「この二人の話読みてぇ~~~」になったから本当に読めて嬉しいし、最後の時点で夏美の残基が「1」だったことを考えるとこの先希望も絶望もありそうで、それも楽しみ。
黒井先生の描く攻めって何かしら常軌を逸しているのに受けに対しては愛情深くて、クズ攻めとはちょっと違う感じで攻めを描くのが上手い。受けも守られるだけじゃなくて、ちゃんと芯が合って強いから、それが物語を面白くしている要素でもあるんだなあ。私は攻めが受け抱いたまま、ビルから海に飛び降りるみたいな描写がめちゃくちゃ好きなので、黒井先生に頭が上がらん。でも1巻があそこで終わったのには流石に意地が悪い。ありがとな、割とすぐに続きの単話配信してくれて。
「心臓の融点」 美山薫子
頼む!!!!!!!!連載してくれ!!!!!!!!!!!!!!そんでテレ東で実写ドラマ化しよう!!!!!!大森Pに入ってもらおう!!!!!!!
ホラー×BLだけど、幽霊とか妖怪じゃなくて人間の怖さが全面に出ているタイプのホラーなので最高だった。カップリングの二人がそういう関係になった経緯も知りたいし、「パーフェクトアディクション」しか知らなかったからホラー描写の上手さに溜息が出た。気持ち悪さと不気味さの表現が良い。極端な怖さじゃないのがまた味が出ている。やっぱ実写ドラマで大森Pを!!!!!
上記以外の3月4月に買った商業BLリスト
「翻弄系小説家とのロマンスについて」/「相愛系小説家とのロマンスについて」/「フェアプレイ・ラバー」/「キミが獣になれるまで」/「ドアの向こうにはロマンス」/「宵闇シュガーキャット」/「午前0時の甘い罠 2巻」/「心くんは愛とかいらない 1・2巻」/「好きすぎるから早く抱け」/「ピンクハートジャム beat 1巻」/「穢れのない人」/「カリギュラの恋 1・2巻」/「探偵とねこちゃん」/「はじめの恋」/「ハローモーニングスター 1・2・3巻」/「悪人の躾け方」/「明治従属タングステン 3巻」/「白と黒-妖蛇と身代わりのつがい- 2話」/「最終電車の恋人たち」/「彼のいる生活」/「マスク男子は恋したくないのに 1・2・3・4巻」/「好きって言ったのお前だろうが! 1・2巻」/「割れたカップを戻すには」/「君に注ぐ100dB 1・2巻」/「愛情こわい」/「半魔の竜騎士は、辺境伯に執着される 1・2巻」/「やたらやらしい深見君 1巻」/「モンスターアンドゴースト 2巻」/「お前のほうからキスしてくれよ」/「ブラットテイマー/キング engage!」/「夜明けの唄 5巻」/「ナカまで愛して 4巻」/「ビタープレイメイト 2巻」
綺麗に2か月で50冊だった。シーモアが頻繁にクーポンを配布するので、結構軽率に漫画買ってしまう。そしてまだ「穢れのない人」を噛み締めているので、いつか感想文を書きたい。以上。