テレビドラマ 春になったら が最終回を迎えた。
あまり話題にはなっていないけれど、とても良いドラマだと思った。毎話毎話、なんだかこみあげるものがあった。
良いところはいくつかあるが、描かれるテーマが最高だ。
結婚、終活、出産、親とのすれ違い、闘病など、生きていたら誰もが見える(少なくとも、横目に見る)ライフイベントが、度々描かれる。
主人公と年齢が近いこともあり、フィクションだけれども、描かれる世界には妙なリアリティがあった。
結構自分も良い年齢になったなと感じる。
いろいろなことを経験して、いろいろなことを耳にして、いろいろなことを想像して、 たとえ未体験のことであっても、少しずつ解像度が高くなってきている。それもあって、考えさせられる。
このドラマの父親役のように、 がっぷり四つで 自分の死と向き合える人はどれだけいるだろうか。
毎日を怠惰に受け身で生きるより、自分がしたいことを定め、自分で決断をし、生きること の素晴らしさやたるや。
たかがちっぽけな1人の人間である。上には上がいるし、隣の芝はいつまでも、どこまでも青いだろう。そして自分が死んでも、自分以外の人生は続いていく。
だったら、人生を精一杯やり切り、 身体的に苦しむことなく、解釈や納得の上、人生を終える以上に素晴らしいことはない。
こういう感想を持てる人間であることこそが幸せなことであると思いつつ、生きていこうと思った。
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このドラマのもう一つ良いところが、写真の良さをふんだんに描いていたことだ。
やっぱり写真は良い。
世代を跨いで語りあうにしても、保管をするにしても、想像をするにしても、記憶の再生装置としても、媒体として情報量がちょうどいい。本当に良い。
今は仕事にできていないけれど、やっぱり写真に関わることがしたいなあ。