牛をたべない仏教がインドではやったわけ

so_san
·

いまから2500年ほど前のはなし

当時のインドでは,バラモン教が主流でした

バラモン教をインドに持ち込んだ人たちは,もともと牛を食べるのがだいすきで,司祭階級の人々は「神様に牛をささげるぞ」といっては農民から牛をもらって,「のこりはスタッフがおいしくいただきました」というかんじで,牛を食べていました

しかし,農民にとっては牛は田畑を耕すためのトラクターのような存在で,貴重な財産でした

それでも,司祭の人に「牛をささげないと神様にたたられるぞ」とかいわれると断るに断れません

ちょうどそのころ,仏教の始祖ゴータマ・シッダールタが現れて,「仏教では,生き物を殺してはいけないんですよ」と説いていました

仏教徒になれば「牛をくれないとたたっちゃうぞ」といわれたとしても,「仏教徒なので生き物は殺しちゃダメなんです」と反論できます

仏教は当時の生産階級の理論武装にぴったりでした

これによって,仏教はインドの生産階級から圧倒的な支持を得て広がっていくことになります

一方,バラモン教はこの後人気がなくなってしまい,都市を追われて田舎へ逃げます

司祭階級は自分たちでは何も生産しないので,信者からのお布施がないと生きていけません

このままではまずいということで,より分かりやすい教えに変貌していきます

それがヒンドゥー教です

これが田舎から都市に出稼ぎに行く人によって,都市に逆流し「これはわかりやすいわ」ということで,今度はヒンドゥー教が人気を誇ります

これに対して,仏教サイドもわかりやすくならないとまずいということで大乗仏教が生まれます

宗教もビジネス的要素があって,時代のニーズに柔軟に適応できたものが現代まで生き残っていると思うとおもしろいです

@so_san
ひとやいきものの歴史をしるのがすき