いつも以上にゆっくりと起床し、ゆっくりご飯を食べ運動をしていたらもう外出する時間になってしまって慌てる。
割っている上にちょっと齧った後にあわてて撮った写真。スコーンはトースト200℃で。
パの観劇へ。ここからネタバレかもしれない。
ほとんどみんなタイトルロール・具体的な行動を伴う人間同士の思想のぶつかり合いを描く社会派エンタメとしておもしろかったけれど、作品の好みとしては前作の方に傾くかもしれない。政治思想を全面に押し出した作品という広い括りでは同ジャンルかもしれないが、テーマの描かれ方、作風が異なるので、並べて比較して良いものかは不明。前作の飛躍の仕方、寓話のような描き方に面白みを感じたので。
また、非常に一癖ありそうな様子をただよわせていた神父の役の人の描かれ方によるものもあるかもなと考えていた。拘束され尋問される側の顔をして実は尋問する側だった、とわかるところまではよいけれど、彼には職務をまっとうする確固たる理由がない、ありはするけれど、それはその職務につく人間の建前では?という内容を彼は本音として語る、それゆえに「守るべきもの」語りで尋問される側の人々との対比により(彼らの同志のような顔をしているが実際は異なるので、彼らが納得するような「守るべきもの」をうまく口にできない、という状態だとしても)彼の空虚さが明らかになる。存在、思想の持ち方、行動の現れ方として彼らとの対比の役割を果たし、最終的に自ら彼らの前で正体を明らかにしてしまうのだとしても、その心情の描き方としてあともう一捻りあったほうが、キャラクターとして印象に残るし、いつものこの劇団の脚本における情念ぽいものがどろっと出てくるのでは?というかってな印象。しかし彼にその役目が預けられなかったのは、最後の最後でもうひとりの部下、「警官」がその役割をかっさらっていくからかもしれず、ほの役目を劇団員ではない人が担って大丈夫な感じですか?とまったく事情もわからない立場からはらはらしてしまった。いや、わたしはその役を演じるかみのさんが一番好きなのですが…全体のボリュームを考えたときに、メインは尋問を受ける3人+1人の男たちで、警察側は脇を固める存在としている印象なので、まあそこはバランスが取れているのかもしれない。ほねじゅうであの役を演じていたかみのさんに信仰を茶化すような台詞を当てるの、非常に「遊び」を感じ取ってしまったんだけどわたしだけですか??(過剰ではない範囲と思うが、自分のそういう「当て書き要素」への反応の速さに「演目」ではなく「人」をまた見に行ってしまってないか?という問いかけが発生しがち&かってに反省しがち)
大きな飛躍がある脚本・演出でないからこそ、アカと呼ばれる彼らや警察側の人々の政治思想がにじみ出る何気ない台詞に、とても素朴に自分が生きるいまの社会・政治の状況を思い出し、引き比べてしまう回数が多く、純粋にストーリーとして楽しむという状態を保っていられなかったのもある。いやあの演目を見るような人はだいたい世の中の政治に強い関心がある人だろうと思うんだけど、だからといって鑑賞しながらいちいち現実の政治のことばかり考えてしまうというのもそれはそれで無粋では、観劇下手かよ、という気もし…
教会に潜伏していた彼がたびたび「主義者」と吐き捨てるように口にするのが印象深く、その時代は共産主義・社会主義者をそのように呼んでいたのだろうが、当時の国にとって都合の良い存在として生きる人は何かの「主義」を持っている者ではない、という区別の仕方が言葉ひとつからにじみでてしまうことに言葉の使い方のおもしろさ、そうやって名前を連呼することで薄まるもの、あるいは定着するものの存在について考えた。特高警察を「特別高等警察」とあえて呼ぶのはその逆とも言えるのか。また、「思想が強い」も「主義者」の延長線上に、グラデーションとしてある言葉ではないだろうか。
演劇初めてみた人的感想を続けて書くと、さっきまでAという役を演じていた人が、ほとんど衣装を変えずにシームレスにBという役を演じ、二役であることを他の人との会話の内容やちょっとした仕草で表現する演出に、演劇の面白みを感じる。セットも衣装も色々な意味で変える余裕がない、役者の数も、と考えたときの消極的な理由による工夫から生まれたものかもしれないけれど、同じ人が演じているから面白い、が笑いにつながる面白さではなく、興味深いの方の面白さを感じさせる、小劇場ならでは(?)の手法なのか。
相変わらず苦手な人は苦手な役で苦手な演技をしており、大きい声で怒鳴ると怖い人はわりと作品の中でも良心を担うような役どころだったので、この人は役によっては苦手ではないんだよな〜と思ったりした。しかし今考えるとこの2人でやっていた演目を無料公開時の映像とはいえよく見たわねわたし、という気持ちに。わかる人にはわかる書き方をする。あと警察側の上司役の人の演技もあまり得意ではなかった。結局わたしはほねじゅうが1番好きなので、作・演出の方が劇団外用に書いたものを見に行ったほうがいいんだろうなとも思うめんどうな観客。
終演後、ベトナム料理が食べたい口になっていたので近くのフォーが有名なお店へ。フォー以外も美味しく、あの劇場に行く際は外食の選択肢としてよいかもしれない。
野菜もむしゃむしゃ食べる。
スープの甘い香りって何由来なんだろう。ココナッツ?フォーだけを食べにランチにも来たい。