前々から気になっていたお店のアフタヌーンティーへ。クラシカルな焼き菓子やスコーン、サンドイッチは、これが私たちのベストメンバーです、というそぎ落とされたシンプルと同時に作り込まれてきた見た目と味で、量もお腹いっぱいではあるけれど食べきれない……とフォークをたびたび置いてしまう程度ではなくちょうどよく、半年に一度くらい訪れたい店になった。サンドイッチも美味しそうだけれど、かなりの賑わいだったので、ふらりとそれだけを求めに足を運ぶのは難しいのかも。
レビューサイトや個人ブログで予習していったのに、この三段重ねのセットが目の前に到着したら思わず目を見張ってしまうほど、想定よりかなり大きかった。
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フルーツケーキのドライフルーツの量が粉と1:1でナイフを入れづらく、そのドライフルーツもりもり具合がとてもうれしかった。ねちっとしたヌガーを追いヌガーできるらしい左上のしっとりしたケーキも、チョコレートの濃いムースも、メレンゲの下にアイスが隠れたスプーンも。
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もさもさスコーンがいいよね。隣の友人二人の皿にクロテッドクリームとジャムが結構残っていて、正面に座った友人と思わず顔を見合わせた。
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前から気になっていた絶対好みのベーグル屋の前を通りかかる。泣く泣く単品購入したけど次はサンドを、、、
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

立地や名称的にちょっと身構えるけれど、降りて歩いてみると意外に親しみやすい、この辺りの商店街の雰囲気も結構好き。まだ渡航が当たり前でなかった時代の、欧米への憧れを満たすのに一役買ったようなお店もまだ残っている印象。
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読めてよかったしびれる本。

研究者の単著だと手が伸びないけれど、対談だと気軽に読める、という人も多いのでは。他者の結婚や出産におめでとうをいうか、から小児異性愛まで、いま気になるテーマについて多く触れられている。何か選択をしたことを打ち明けられたとき「それはあなたにとってうれしいことだったの?」と尋ねてからおめでとうと伝えるか決める森山さんの話もよいし、ボディポジティブ・ニュートラルの話題から、私の幸福は私が決める」と同時に「私の不幸は私が決める」という話もしていきたい、という箇所も個人的にとてもよかった。
もちろんその言葉で守られていたこともたくさんあると思うので甘えの部分もあるかもしれないが「家族だから」でさまざまな理不尽な目に会ってきたことの方も重く見ている「家族」という言葉に負の側面も大きいと感じている身として、自分とパートナーとの関係を「家族」と表すのに、わたしは時々とても違和感をおぼえる。他者を納得させるための表現を使う機会が少ない身からというのもあるだろうが「夫」もいまごっこ遊びをしているなというおかしさを一人で感じることが多く、「パートナー」も書き言葉としてはよいけど音にするとすました感が否めず、口頭では苗字呼び捨てが多分一番楽、しかし関係性をある程度知っている人に限られる。なぜこの話を突然するかというと、『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ』で森山さんが「家族」という表現に対する違和感を語る部分があり、そうだそうだと思いながら読んだからです。男性同士のパートナーとはまったく置かれている立場、社会において持つ特権性が異なる、「同じ」と思うのは失礼だろうしそれは違うなという認識がある立場として、「クィア」という表現を自分ごととして使うには、引き受けているものの重さ、性質が違いすぎるのだとしても、「ふつう」のレールにのること、制度を乗りこなすことが正しい、とされる側をおちょくって、どんどん道を踏み外していきたい気持ちはある。
夕方に門倉太久斗「スピードレクイエム 」を見にいった。門倉太久斗さん/21世紀ジェダイさんの個展はとてもよく、部屋の中をぐるぐるしながら一点一点を繰り返し少しずつみていた。前のめりの花瓶についた車輪が走る勢いでゆがんで「キキーッ」と音がしそうな効果線がついているのがとても好きだった。
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
みた瞬間「これ欲しかった…」と声に出してしまった暴走ミシンの絵。コンテクストとしても好きなのと、「ミシンは女のだんじりや」(朝ドラの「カーネーション」)を思い出したのもある。

入り口が全然わからなくて廊下を行ったり来たりしてしまったけど、この自販機が扉なの格好良すぎるのよ。
