よい質問はよく聞くこととセット、と呪文のように唱えつつ、両方とも自分には足りていないスキル。友人らと話すときはオープンクエスチョンとクローズドクエスチョン、使い分けるというより常に前者を投げかけて一緒に道に迷いたいが、仕事では要領よく使い分けしていかないといけない。相手の時間もこちらにも限りがある。まったく関係性が形成されていない相手にそれをやらなければならない場面がまあまあの頻度で発生するのに、関連する研修をうけるたび、「なんとなくの人当たりのよさ」「声のトーン」で乗り切ろうとしているケースが多いことを振り返り、毎回反省する。


友人との待ち合わせ前に入ったそれぞれのデパート内に飾り付けてあったでかスヌーピーとねこ太陽の塔。教文館にもいかなきゃね。赤と青のかぶりものをする大きいねずみになって、たまごの殻に乗る夢を果たす。

具を選んだあとさらにライ麦か白いパンか、トーストありなしかを選ぶむずかしさと楽しさ。たまごとハムのサンドイッチのほうをライ麦トーストにしました。いつかライ麦トーストなし、白パントーストありにチャレンジしたい。
本や最近関心があるテーマについて、身近なことから政治的なことまで(個人的なことは政治的なこと)、あちらこちら積極的に道に迷いながら話をする楽しさ。誰かと一緒に暮らすこと、暮らさないこと、家族と呼ばれる人たちとの距離感のふしぎとおかしみと苦しさ。どうして本を読むことが好きになったのか、という話、いまさらすぎる周囲のほかの友人らにも聞きたい。また、さまざまな話をしつつも、話したいけど/話したくないから(さまざまな事情から)話さない、を選ぶこと、それは相手に負担をかけないと判断しての選択という側面もあるかもしれない、という話に深く同意した。SNS上でひとりごとのように呟いていたからだれにでも・親しい人ならふれていい話題かといったらそうではないなという自戒を新たにする。
『まとまらない言葉を生きる』のあとがきから、自分の思いや主張を的確に言葉にできるということの特権について考えたとき、ハン・ガン『別れを告げない』の主人公の母をはじめとするサバイバーとして生きる残された側の人たちのオーラル・ヒストリーを思い出すし、それは朴沙羅『家の歴史を書く』の済州島から日本に渡ってきた筆者の親族の話を聞き、考えたことについても結びついていくので、という話もごちゃごちゃとしました。正解があるわけではない、あの本とあの本の関連性を考えていて、星と星を自分だけの星座に仕立て上げられたような瞬間。特にうまくはなく、自己満足なのだけど、それらの本を続けて読んだ自分の中での理由づけがくっきりしたり、過去に読んだ本が突然浮き上がってきたときのしみじみした感覚。
自分の読書メーター記録には、「現実に起こった事件のことについて聞きたいと尋ねたときに、全くその回答として通らないと思われる返事が返ってきた時の「それはなぜか?」という著者の仮説がとても興味深く、個人の体験として歴史的事実を語る部分や、"過去を回想して語ることと書くこととの関係から生まれるもう一つの問題は、記憶は保存されるものというよりも想起されるものであることだ"(p.292)過去を回想して語る人の語りに、回想のされ方に、聞き手は影響を及ぼす、という箇所がとても印象に残った。」と書いてあった。メモ、大事。