友人の誕生日祝いの晩ごはんの日、どうせなら昼から会ってうちでお昼かお茶を?という話になり、おうちにお招きいただくほうが多い人間が珍しく、友人をお招きするほうに回った。さまざまな部分の掃除の行き届かなさには目をつむってもらう約束をしつつ…
白金高輪のベーグル屋の現店舗での営業最終日が迫ってきていたので、朝から並んでみる?でも夜まで体力もたなくない?と早々に諦め、代替案としてサバ缶でサンドイッチを作って食べることにした。
サバ缶はクリームチーズと和える、菜の花は茹でて刻む。
アクセントのマスタードシードもよいかんじ。しかし夜もあるのになんというしっかりした昼ごはんを…
ひさびさにご登場いただきました🐶🐶
紅茶のお風呂に浸かる犬2匹🐶🐶
友人が家でくつろいでくれてうれしかったし、プライベートな空間でだらっとしているときだからこそ出てくる会話ってあると思う。場所ももちろん、やっぱり半日くらい過ごしてお互いあたたまってきた頃合いで出てくるさまざまな話題、会話の深度が好きだしありがたいなと感じた二日間を振り返る。そして友人に別の友人のすてきなところを話す際、普段使っていない筋肉をおそるおそる動かす感覚があるな、と非常に興味深かった。
もう少し早めに出て晩ご飯を食べる街を散策する予定だったけれど、またこれもよし、と思いつつ、ゆっくり家を出て、好きな街の好きな焼き菓子屋×2、雑貨屋を巡ってから最終目的地へ。
久々に食べた自家製パンもオリーブの実も、そうよこれこれ、と以前の記憶を良い意味でなぞるおいしさ。この皮の固さ、みっしりしっとりした生地のパンは、やっぱりこのくらいのかたまりをちぎって口に運ぶほうが喜びがある。
軽やかな脂ののった赤身の魚とネギとの取り合わせの相性の良さ、これはねぎま…?と思ってしまってから寒鰤を2度ほどマグロと呼び違えてしまった。そこに果物の酸味が合わさると前から知っているような感覚になる懐かしげな組み合わせが新鮮な味わいに。
表面を焦がしたスミイカを口に含むとスモーキーな香りが鼻に抜ける。別の好きな店の秋刀魚の藁焼きのことを思い出した。そして好きな味としか認識していなかったけれど、そこまでパクチーが得意でない友人がパクチー成分を感じ取り、最終的にこのオイルはパクチーオイルでは?という結論に辿り着いていてさすがだった。おいしいイカはおいしい…
白子とポタージュとのまったり濃厚二乗を感じる舌をスモークレモンバターの酸味が刺してくる。菊芋のフリットを水分から救うかふにゃふにゃになるにまかせるか問題を持ちかけてくる友人の食べものへの真剣さとともに覚えておきたい味。鯖じゃがの復活はもうないのだとしても、これからも通い続けたい店だと改めて感じた。
最近はそうでもないけれど、普段よその店でメインのお肉を頼まない、あるいはメインは魚にすることが多いのに、この店では以前からよくお肉を頼んでいたことを思い出した。味噌とゴルゴンゾーラとフキノトウを混ぜたペーストに、よくこの組み合わせを思いつくなと驚いてしまう。そして最近よく出会うラディッキオ・ロッソ、焦がした野菜ってなんでこんなに美味しいんだろう。
タルトタタンの生姜成分はどこから、と悩んでいるわたしにクリームでは?と即答えをくれる友人の分は誕生日メッセージプレート。
観劇前後に銀座で飲んだハーブティーの味を懐かしく思い出しながらいろいろ話をした。好きだったものを好きでいられなくなったかなしみをなんでそうなっちゃったんだよ、でもね、でもさぁ、としつこくぽろぽろとこぼしてしまう。
10〜20代前半の頃、インターネットの趣味の世界で知り合ったひとまわり以上年上のお姉さんたちにかわいがってもらった経験から、楽しげなおとなでありたいという希望を持っていたのに、結局陰気な中年に成長してしまったけど、いろいろある人間のバリエーションのひとつとしてこのままやってくしかない。そして一貫性がある人間と思われたいと思っていたけれど、揺らいでしまうことを過剰に恐れないで、でも揺らぐことをポジティブにとらえる、という方に振り切るのでもなく、揺らいでるね、でも生きてるからね、とごちゃごちゃがたがたしながらやっていきたいね。