2月27日

socotsu
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なんだか今日で2月最後、明日から3月、という気持ちになってしまったけどまだ2日あった。いや仕事的にもまだ2日あってもらわなくては困るのだが…

あまりにも強い風の吹きすさびよう、そしてそのせいか薬を飲み続けているのになんだかくしゃみが定期的な飛び出すな、という事実を勘案し、もしかして昨日軽度のものもらいって判断された右目の痛み・ごろごろ感、花粉症のせいでは??いや片方だけこんな症状が出ることある??と悲しみに暮れている。大事をとってアイメイクなしで出勤したら、鏡を見るたびに非常にねむたそう、寝起き直後っぽい人間が映り込んでいて、自分比で自分の見た目がいけてないと感じる日のぼんやりとした切なさをただよわせてしまって背中がまるまる。こういうのって、誰かから別にノーメイクでいいじゃん!といわれてもだめで、まあ社会規範を内面化しているだけかもしれないけれど、譲れないと思う根っこがもう自分の本当の望みなのか他者からの刷り込みなのかなんてわからない、いろんな価値観がよりあわさって作られているわたしなのだから、と感じることの多さ。

昨晩気になって最後まで読み通してしまったのは能町さんの『結婚の奴』の方だった。『くすぶれ!モテない系』を読んでいた頃の気持ちを思い起こして、なつかしくなったりひりひりしり。自分は同じ立場ではないので、これは既婚シスヘテロ女性が「同性婚ができるようになったら友情婚もありかも!」とあっけらかんと言ってのけるのに近いのだろうか、まあそうなのかもしれないが、と思いつつ、もしわたしがひとりでいたならそういった相手を探していたかもしれない、と想像してしまうような、そこにいたるまでの心理に非常に身に覚えがある「偽装結婚」の経緯に、重苦しくなく読ませる筆致に、切り離しきれない切実さを嗅ぎ取る。『100万回生きたねこ』がわからないという恋愛との距離感、自意識のこんがらかり具合にかってに親近感を覚えてしまう。大学のサークルで出会い、親しくなった、能町さんにとって非常に魅力的な存在だった堀内さんというシス女性が「自分自身に焼き鏝でも押し当てるように言った」「「私はやっぱり子供を産まないと、女じゃないと思ってるから……」」という言葉に抱いたとてつもない屈託の表し方「彼女が世間に化けて私に迫ってきた」と、そこからの「自分も男とさっさと恋愛をしなきゃダメだ」という決意を「私なりの世間へのおもねり方」と言い放つ、その自らの展望の突き放し方。こんな文才はもちろんないしなにもかも違うのはわかっているけれど、その上でぐーっと心が吸い寄せられていってしまうような苦しさを、この一連のエピソードの捉え方、書きぶりにおぼえた。よしながふみの『愛すべき娘たち』か、はたまたヤマシタトモコ『HER』か、くらいの忘れがたさ。

また、後半、雨宮さんについての想いも読めてよかった。能町さんがどれだけ雨宮さんに惹きつけられ、もしかしたらあの想いは恋愛だったのかもとすら書き、だからこそあんなかたちで彼女がいなくなったときにどれだけ激しく怒ったか、という湿度の高い感情が文章から迫ってきた。わたしは雨宮さんの文章はとても好きで書籍もほとんど読んでいるけれど(能町さんはほとんど読んでいないとのこと。親しくなった後、まだ読んでいない相手の書いた文章を読むのを躊躇う、ということはあるだろうなと思う)、なんでこの人は男の人に恋愛面で承認されることをこんなにも求め続けているんだろうとずっととても不思議で、男の人との恋愛面での満たされを希求する思いがあり続けるからこそ雨宮さんなのだということもわかりつつ、この人はこの人であるだけでこんなにも素敵なのに、とはがゆくてならなかったため、その点において雨宮さんの思いが理解できない、けれど彼女のことがとても好きだった、という能町さんの雨宮さんへの想いにも心を寄せてしまった。

こんな論文が、と思いつつ興味深く読んだ。『結婚の奴』というタイトル、改めて本当にいい。「こういう関係性もいいよね」などという表現では絶対に表したくないが、婚姻制度をそれぞれのやり方でおちょくっていく、その生活ぶりを書籍の形で共有してもらえたことがただありがたかった。

チーズ、焼いた芽キャベツ、さきいかとセロリのあえもの、コールラビのマリネ

芽キャベツはクミンシードと蒸し焼きに

茶碗蒸し

ひさびさの中華ちゃわんむしは、鶏ひき肉バージョン。

この話をここでしないのは、この話ばかりになってしまうからなのだけど、記録として残しておく。"劇団側は合意した内容を公表せず、劇団・阪急側の言いたいことを公表するという奇妙な考え方を提示した。つまり、劇団側としてどういう内容について謝罪したかを明らかにせず、他方で、一致していない事項については独自の見解を発表するという趣旨の発言を代理人が行った"が何度読んでも意味不明でとても怖い。この話題に触れる際、さまざまな決定権を握る経営陣は、みな劇団に所属する団員より年齢が上の男性ばかりの組織であることを見逃して「女ばかりだといじめが起きる」というような、なんにもわかってない非常にミソジニーたっぷりの言及の仕方をする人はこの劇団と同じくらい愚かだと思うけれど、今日のニュースをきっかけにして、全く宝塚のことを知らない人に、どんどん宝塚の愚かさを知ってほしいし、こんなに愚かな対応をまだ継続しているのかとびっくりしてほしい、そのことにどんどんいろんな表現で言及してほしいと思っている。そうやってどんどん社会としてこのままでは許さないというムードを作っていくしかない。

@socotsu
そこそこ