仕事の前の晩にやってはいけないこと、寝しなに幻想・ファンタジー小説を読むこと。
最終章をまだ残しているけれど、設定も文章もあまりに好みで、片手を壁につきながら迷宮の中に足を踏み入れてしまったようなよるべなさと懐かしい感覚を同時に味わってどきどきしている。表題作に連なる奇妙な月の下で生きる者たちの短編群はもちろん、ベッドから起き上がり外の庭まで抜け出す道のりを目を瞑ったまま一歩一歩完璧に脳内で再生していき、薔薇の苗を植え庭をむせかえるような薔薇園にしていく夢かうつつかわからない『遠き庭より』に特にとても惹かれ、作中人物と一緒に自分も目を瞑ってその歩みをたどった気持ちになってしまった。「あのね、薔薇園を造るのよ」川野芽生さんの本は読みかけの歌集や短編集(小説)が積んであるし、買っていないものもあるので、この幻想小説にBluetooth接続しやすい頭のまま手にとるか、一旦落ち着くか悩む。
山尾悠子もまた読み返したいし、もう少し現実寄りの幻想成分低め、でもちゃんと飛躍はあるよ、な翻訳本の名行商・岸本佐知子さんの積んでるこっち(とはいっても雑誌で読んだものも含む)(「オール女子フットボールチーム」ルイス・ノーダンは個人的なオールタイムベスト作品)もよいな。
誰にも好きと言えずに、言うタイミングもないまま、図書館で何度も借りては読んでいた、懐かしい友人のようなファンタジー小説群のことを久々に思い出してしまった。
そんなむかしの極めて個人的な体験を漫画にして目の前に差し出されたのが『黄色い本』の表題作だと思うが、『チボー家の人々』はまだ読んでいません。
シュウマイ包むの下手だなと思いながら無心で包みました。柑橘類と新玉ねぎ、鶏むね肉ともも肉の合い挽きに山椒。強火で10分蒸して、酢と黒胡椒で食べる。