海の近くの街へ、友人とおいしいものを食べに行った日。家を出る前から天気予報の温度に震え上がり、これは可能な限り布面積が少ない服を着るしかないのでは、と友人と連絡を取り合った。そうはいっても限度があるので、上半身は涼しめ・下半身はナイロンパンツ(撥水)で向かう。乗り換えが少ないルートだと時間に余裕がありすぎるため、いつもと別の路線で向かったところ、遅延のせいで乗り換えに失敗、慣れないことはしないほうがよいという結論に達した。
予定を曲げたくない人間は、友人が待っている目的地のパン屋まで高速(自分比)で移動し、目当てのパンをぶじ購入後、お店の予約時間に滑り込む。途中で人力車を引いている人を見かけ、この暑さのなかで…?!とかってに心配してしまった。

メニューにないはみだしワインがあるという情報を得てから、毎回尋ねるようにしている。オレンジに近い色が濃い白も、底近くの薄濁りの白も好き。味見させてもらったら友人の選んだ方も好みだったので、2杯目に頼んだ。

モッツァレラもいいけど塩気の効いたフェタチーズもよい。家でも桃や他の果物とあわせてみたい。

ここのお店のオリーブオイルづかいと塩加減のおいしさを一番感じられるメニューかもしれないと思うカルパッチョ。メジマグロ、赤身の具合がかなりカツオ。

きれいな黄色。タヤリンはピエモンテの方言でタリオーニのことらしい(イータリーサイトより)。とぅるんとした大きいお米のようなパスタ。あさりの出汁がよく効いている。

初めて頼んだパスタ、カレー風味で夏感があった。魚は穴子?他の白身?と友人と探っていたけれど、お店の人に正解を尋ねればよかったな。

太いチューブ状のパスタの固さ、小麦を食べている満足感がある。ポルチーニ茸のうまみが出たホワイトソースをどれだけしっかり皿からさらえるか、どこまでも真剣なおとな。

クリームブリュレのような容器に入ってくると思っていたクレマカタラーナ、スライスしたチーズのような見た目で、食べたらプリンのアイスだった。パンナコッタとどちらも濃厚で、でも濃さの方向性が違う。同時に食べるおもしろさ。食べ物の好み、量、料理を半分こすることへの情熱の傾け方が近しい友人とご飯を食べる体験って毎回本当におもしろい・楽しい!としみじみしてしまう。
事前に、アイスは別に食べられるよね、どこに行く?などと話していたのに、気がついたら店内最後の組になるほど食事を満喫してしまった。海辺のこの街を味わい尽くせていない気が、と毎回思いながら、休店日でも来ない限り、このレストランを含まない別ルートを選ぶことができない。ご飯を食べながら雨宮まみさんの『40が来る!』や『石狩乙女』の感想をきけたのもありがたかった。私のほうからは引き続きハン・ガンを激推し。
退店後、懐かしい雰囲気のパンやに立ち寄ったタイミングでレストランにパンが入ったエコバッグを忘れていることに気づいた。どうりで荷物が軽いはずだ…と友人に茶化されながら道を引き返したところ、お店の人が笑みを浮かべながら私のエコバッグと一緒に見慣れた日傘を携えており、なんと友人は自分の日傘を忘れたことにすら気づいていなかったことが判明した。あまりにもそれぞれの性格を表すエピソード、私たちを知っている友人が読んだらかなりおもしろいと思うので書き記しておく。
味わいきれていない、と言いつつ好きなパン屋の固いクッキーを買ったり、ベイクショップ&生活用品店の固いクッキーを買ったりしながら、じわりじわりと海へ向かった。心構えが足りなさすぎたのだけれど、よくよく考えてみればこの夏の時期の浜辺というのはこのような盛り上がりを見せる場所なのだ、と服を着ている人間の少なさに呆然とたちすくむ友人と私。足を水に浸す気力がなく、砂浜に座りこんで日傘をさし、話し込みながらバレーボールをする元気な人たちを見たり、水着の人たちに頼まれ(こういう写真を撮りたいんです!とSNSにアップされた類似写真を例として提示された)写真を撮ったりしていた。暑すぎて無理では、と怖気付いていたけれど、意外に海の方から涼しめの風が吹いてきたり、傘があればなんとか持つもので、棒アイスがあればよりハッピーだったと思う。次こそレジャーシートだ!



あまり見えないけどにぶい銀色のペディキュアです👽

まるまるひとつ食べるおなかがない友人とアイスを分けっこした。以前SBSで食べたもっとピンクの濃いビーツ&ヨーグルトより、よりまろやかなやさしい甘さが疲れた身体に染み渡る。


帰宅後、腹ペコのパートナーといっしょに茹でた水餃子を分けたり、パンをかじったり。もちもちの皮、味坊や按田餃子より好みかもという話をする。しかし味が濃いめなのでごはんやお酒に合わせたい。