おいしいものでおなかがいっぱいいっぱいリターンズ。
スプーンで掬ったらその空間にでろーんとチーズが戻ってくる様子が腐海になにかが沈んでいく様子に酷似。付け合わせのカリカリのバゲットより焼き色濃いカンパーニュを添えたい、チェストか塩見ならなおよしという意見あり。ワインの持ち込みは聞くけどパンの持ち込みってあるのかな、と考えたときに川村明子さんのPodcast「今日のおいしい」でマルセイユ、市場付近のスープドポワソンが食べられるおいしい店を訪ねた際、バゲットを持参している人をたくさん見かけておいしいパン屋が近くにあるのかと思ったら、店のメニューにはないからみんな近所で買って持ち込んでいたことが判明、川村さんも隣席の人にバゲットをお裾分けしてもらったという話を思い出す。私の聞いたことある唯一のパン(バゲット)持ち込みエピソードだ。今日の店はバゲットとカンパーニュが盛り合わせてあったけど、圧倒的にカンパーニュの方が好みだったため、カンパーニュだけ選びたかった。その分のスペースにチェストか江古田、塩見のパンをそっと置いてもよいでしょうか…ああでもパークレットのカントリーブレッドもとてもよい、などと失礼すぎる妄想。
提供されたタイミングが前後している。最初に出てきたムースの濃さとなまっぽさ、これに添えるのはこの軽くてサクッふわっとした食パンのほうがいいなと納得したのは、実際食べた際の味わいはもちろん、かつて魅了されていた、バターしみしみシナモントーストを出す喫茶店や、カリカリやみつきになるおいしさの海老トーストを出すタイ料理屋にて、そんなにいい食パンを使っていないという話をお店の方からきいたから…後者は友人からの又聞きです。リッチなパンだと打ち消しあってしまうのかもしれない。
写真が多いし見た目が地味めなので伝わりづらいけど、これはこのお店のメニューのなかで繰り返し食べても食べ疲れないという意味で、他のメニューとはまた別枠の唯一無二の皿では。レンズ豆は小鉢に盛ってもりもりおかわりしたい。脂がのった鰯の燻製は身が引き締まっていて、小ぶりだけどひとつひとつたっぷりとした満足感がある。
もっとカタイオニク噛み締め系かと思ったらやわらか〜いおにく選手権上位のジューシーさでびっくりした。カリカリポテトもソースがしみたやわらかぽてともそれぞれのよさ。
マスタードポットをふたつ揃えると、間にやわらかお肉選手権エントリー鴨コンフィが召喚できる。改めて写真を見返すと、このボリュームでソーセージ2本突っ込んでるのギャグだな。登場したときも笑ってしまったけれど、ぜったいに余白を残したくないタイプのあふれんばかりのサービス精神を感じる盛り方。コンフィの下に敷いてあった白インゲンやにんじんその他野菜の煮込みが美味しかったことも反芻しつつ、鴨がほんとうにほろほろだった🦆友人とわたしの感嘆っぷりが似通っていたようで、もうひとりの友人に面白がられる。
デザートも3人いると色々食べられる。焼き色薄めだけどねっとりんごの酸味がきいたタルトタタン、細い部分にいくほどにねっとりと濃いバスチー、かりかりと一緒に口に運ぶリキュールが効いたプリン、キャラメルにうわっと襲われるジェラート。
また行きたいリストとまだいっていない行きたいリスト、後者はどんどん増え、行けば前者が後者に移動し、いつまで経っても終わりがない(なくてよい)。うれしい悲鳴をあげていく。