年末年始にかけて新年の抱負を色々な場面で聞くことが多い。
かく言う僕も24年の目標にはかなり息巻いているが、最近とある事に気づいた。
「やる気を維持し、目標にコミットし続けること」こそが一番難しいなということ。
調べてみると、人間の動機づけには「内発的」なものと「外発的」なものの二種類がある。
内発的…取り組む事自体が目標
外発的…賞金、名誉、報酬を得る事が目的
この中で外発的動機づけは、その報酬などがなくなることで消えていくが、内発的動機づけは取り組むことがそもそも目標なので、やる気を維持しやすいということだ。
あとはやる気に関して言えば、マズローの5段階欲求も有名である。
人間の欲求が「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」の5つの階層に分かれているという理論で、段階を踏んでいくことで欲求を満たしていくと言う考えである。
自分の今の状態がどの段階なのかを判断し、それに合わせたことを取り組む事でやる気を引き出すと言うものだ。
さて、最近僕が思う「やる気の維持の仕方」は以下の通りだ。
①やる気に依存しない仕組みの構築
②自分の視座を上げてくれる情報、人との接触を定期的につくる
③自分の生活にゆとりをもたらす
①やる気に依存しない仕組みの構築
そもそも、やる気とは何かと言う話だが、僕の考えでは「その目標を達成したいと言う欲が湧いて、自分の選択でもってその達成プロセスを描けている状態」である。
達成したい!という意欲だけの場合は、それはやる気というよりは熱量が高いだけであり、達成できるという根拠が自分の中にある程度必要だと思う。
そして、ここまで書いてあれだが、このやる気に依存する形で物事を進めようとするのはかなり危険であると思う。
やる気というのは一種の高揚感に近いもので、熱を帯びたものはいずれ必ず覚める。
365日24時間常にやる気に満ち溢れている状態というのは無理な話で、必ず調子の悪い日はあるし、落ち込む事だってある。(ポジティブ心理学では、ウェルビーイングにおいてはそういった感情のダイバーシティはむしろ歓迎している)
なので、やる気があるなしに関わらず自分が目標達成に遂行できる仕組みを構築することこそが最強である。
いわゆるルーティンというやつだ。
コーチという仕事柄、色んな人のルーティンを聞く。以下はほんの一例だ。
朝は必ず読書をする。定時には絶対帰り家で自己研鑽の時間を取る。休日はリフレッシュに全力投資する。平日に食べるものは固定する。仕事で着る服は同じにする。飲み会には参加しない。労働時間をモニタリングし、毎月決まった時間で収められるよう調整する。
元プロ野球選手のイチローさんも色んなルーティーンを挙げられている。
「これだけやっていれば大丈夫」という平常心を保つためのルーティーン、とても参考になる。
②自分の視座を上げてくれる情報、人との接触を定期的につくる
人は環境にあまりにも影響を受けやすい生き物で、コーチングの中でも「転職をしたら大きく前進した感じがします」という話はよく聞く。
1日の中で触れる情報、人から貰うインプットで生活が成り立ち、それを踏まえてアウトプットをするということを考えると、どれだけインプットが重要かというのが見えてくる。
分かりやすい例が旅行だ。特に海外旅行。
数日間だけであっても、普段目にしない光景や文化に触れることで僕らは様々な気づきを得られる。
「海外に行った事で日本を相対的に捉えられました」というのは良くある話だ。
よって、自分がどんな人や情報に普段触れるかというのはとても大事である。
もしやる気が低下していたり、目標達成に向けて停滞感を感じるのであれば、自分より頑張っている人や普段触れない情報に触れてみるのはお勧めだ。
僕はよく自分が興味ないスポーツ観戦したり、異業界で活躍されている方のお話を聞きに行ったりすることが多い。
③自分の生活にゆとりをもたらす
ストイックに規則正しく物事に取り組むことも大事であるが、僕は一方でゆとりを持つことも大事だと思っている。
パウロ・コエーリョの小説『アルケミスト』にこんなセリフがある。
『幸福の秘密とは、世界のすべてのすばらしさを味わい、しかもスプーンの油のことを忘れないことだよ』
僕は、日本の四季折々の光景も好きだが、神社や仏閣といった建造物がもたらす荘厳な空間も大好きだ。
この世界というのは、僕らにありとあらゆる感情を感じてもらうために用意されているんじゃないかと思う時がある。
そのくらい、世界は好奇心の宝庫で、そして美しい。
生まれてきた意味や目的は誰にも分からないし、本人の中で納得感持ってつくられていくのかもしれないが、少なくともこの世界から受け取れるものは全て感じ取ってみたいと思わないだろうか。
そういったものを受け取れる、探すゆとりを持つことも大事だと僕は思う。