コーチングには失敗がないという幻想

sodeko
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コーチングにおける失敗とは何なのか?

コーチングは失敗をしづらい構造になっているんじゃないかと最近思う。

コーチングにおける失敗とは何だろう?

コーチがセッション中にスキルを使い間違えた時

クライアントの変容に少したりとも影響を与えられなかった時

…いずれも失敗と言うには少し違う気もしている。

失敗とは、目的が達せられなかったことを言うので、コーチングにおける目的次第ということになる。

コーチングの目的を、クライアントの変容とそれに伴う行動の後押し、としたとしよう。

その上で冒頭の二つを見てみると、前者はスキルを「使い間違えた」とする根拠を説明するのに客観的になり得ない。つまり、あるスキルがあったとしてそれがクライアントに必要かどうかを判断するのはコーチであり、決してクライアントからの必要性に応じた結果ではないからだ。

例えば、コーチングの大事なスキルに「中断」というものがある。

これは、クライアントの話を遮って本筋に引き戻すという、コーチングの効果を高めるためにもかなり重要なスキルだ。

クライアントの話を途中であえて中断するというのは結構勇気のいることだが、協働関係が出来ていて、そしてコーチの優れた直感によってそれは効果を発揮する。

ただし、中断するタイミングには正解がない。かえってクライアントから不信感を持たれることもある。

そして後者は、変容の定義次第であるのと、どこの時間軸で評価をするかによって変わる。つまり、コーチング中・直後・それ以降という時間軸の違いの中でコーチングの効果を評価するには、変容に対する要素が複雑化するために困難を極めるということだ。

例えば、もうどうしようもないくらい出来の悪い(と自分で感じる)コーチングをしてしまったとしよう。

それでも、クライアントからは「ありがとうございます、とても良かったです!」と言われた。

この時、コーチングセッションをどう評価するか?

コーチの満足度と切り離して考えるなら良いセッションであったようにも思えるが、それでも結局は「クライアントの変容とそれに伴う行動の後押し」というコーチングの目的に沿っていたかどうかなので、この時点では評価できないということになる。

それでは1か月後にもう一度評価をするとしよう。

だが、この時点でクライアントの変容が起きているかどうかは、何に依存するんだろう?

変容を測るためには、そのためのチェック項目を設ける必要がある。

例えば「コーチングを受けた後で変化したこと」「(特定のフォーカスエリアについて)コーチングを受ける前と後でどのくらい出来るようになったか」などである。

他にも「コーチングは自分の変化に影響をどう与えていますか?」などだろうか。

つまり、自分の主観によるところが大きい。

そして、それが本当にコーチングによるものなのかは判別が難しい。

コーチングを受けたことで確かにきっかけを経て、行動を促進されて、変容に繋がった可能性もある。

だが一方で、コーチング後にクライアントが影響を受けたものはコーチからは分からない。

読書でも映画でも、友達との会話でも、自分に気づきやきっかけを与えてくれる瞬間は多い。

それら全ての要素がクライアントの変容に全く影響がなかったのかと言えば、それは難しい。

長ったらしく書いてしまったが、ようはコーチングは失敗出来ない構造じゃないか?と思うわけだ。

失敗から学ぶことはとても大事だと思っているし、むしろ成功には失敗はつきものなので、積極的に失敗したい。

だからそのために、コーチングの効果についてもっと客観的なデータが欲しいなと思った。

友人から聞いた話では、コーチングを受けた人と受けていない人とで分けて追跡調査をするのはどうかという案。これもとても良さそう。

僕が思うのは、脳波を見たい。

コーチングを受けている最中の脳波がどうなっているかが分かれば、コーチングのどんな関わりがどう作用しているかが分かると思うのだ。

脳科学の人と仲良くなりたい…(笑)

@sodeko
「日頃感じたことや学びをアウトプットするための場所」として運用しています。 Twitter(現X)より、さらに自分向けの内容をストックさせていく狙いがあります。 @sodekooo