いつか死ぬからだが欲しい本当のことがあんまりない星だから
天井の金魚もきっとおれたちを金魚みたいに眺めてるんだ
絶対にふたが開かない瓶が手の中にあるまだやることがある
夕暮れの河原に立てばおれたちはまだよく似てる 泣けばいいのに
くちずさむ歌がない夜はっすると呟いて飲みくだすものたち
金網が取り払われた空は見ずに笑いあうまだ揺れているのか
たったひとつの夢が叶ったそのあとの余生があんまり永い たすけて
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たぶんうまくやれない感じの人が気になるんだと思う。むつごなら松野一松、音楽はsyrup16gが好きだ。わたしは大人になって長いしちゃんとしようとしてはいるけれど、しようとしているだけでたぶんあまりうまくいっていないので他人とは思えない彼らに心惹かれるのかなと思う。だから「戒め」回で、一松のとなりに優しい子がいることには救われた。よく理解できないながらも相手の考えを尊重してつきあうってなかなかできなくないですか。おそ松さん、いつもげらげら笑って見ているのに時々こんなのを見せてくるから油断ならない。でももっとこんなものが見たいよ。見たかったよ。さみしい。
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おそ松さん短歌アンソロジー第2弾「UtaMatsu season 2」(2018年5月)に寄せたもの。