十月の夜に寄る辺を失ったあなたに降らす千の花びら
上等の余韻を胸の海に満たす あかつきまでの千年のため
沈丁花 夜の哀れなうつしみを淡く果無くせんと薫るや
十分に予測しながら運命を殺めるばかな選択をする
次蟾らに夜ごと小声で歌はせん あきらめてくれ先(せん)のわたしを
じきにくる余波うとましいうっかりと彼(あれ)は囚(とら)はれ僭王(せんわう)になる
若月の夜のしじまに嘯いた哀歌おんなじ旋律ばかり
情熱も善きものもみなうしなつて荒れる世界の閃耀(せんよう)を見む
常軌とは 夜ごとあなたの歌に流る赤い血が新鮮にかなしい
次蟾鳴く夜には夜の海に行く浅い運命線を浸しに
情感は夜ごと日ごとに薄まつてあすには越える線がまばゆい
じゆうさがよきことならばうつしよにあいされぬのもせんなきことだ
自縛する余生も尽きてうつとりと吾の死神の鮮衣を眺む
成就した夜の永きに倦み果てた吾を眠らせよ泉下なるもの
自壊への永劫(ようごう)何度うまれてもあの道をゆき千度うしなう
丈阿選(じようあせん)で作った折句。折句はあいうえお作文。名前の折句は愛です(持論)。