硝子片に似ている

sou_aomi
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最果タヒ著『恋できみが死なない理由』を読んでいる。

詩はあまり嗜まないが、最果タヒ氏のエッセイはとても好きだ。読んでいると、なぜか自分の「なんでもないけれど確かにうつくしかった記憶」までがぽろぽろ頭の中からこぼれ出てくる。どうしてかはわからない。きらきらしたガラスのかけらのような言葉が脳にいい感じに刺さって、その刺激で深く沈めた昔の記憶が浮き上がってくるのかもしれない。

研究室でエタノールの一斗缶を使って焼き芋をしたこととか、高校の中庭にネジバナの群生があったこととか、自転車で通っていた川沿いの道に毎回でっっっかいプードルを連れた人がいたこととか、帰り道はその川辺が藍と朱に塗り分けられて綺麗だったこととか、そういうのだ。忘れたままでも別に損はしないけれど、思い出すと少し嬉しい。他の人のエッセイではそこまでではないので(その人の話に集中しているともいえる)、私の中では最果タヒ本独特の感覚だ。

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なんか作業に集中していたら昼ご飯を食べ損ねた。代わりのカロリー補給として、ムング豆をココナッツミルクで煮たアジアンぜんざいのようなものを作って食べた。元レシピはひよこ豆だったのを改変したせいかムング豆の粉っぽい後味がノイズだったが、咀嚼2-3回分くらいまでの味はかなり美味しい。でもこれ、タピオカでいいな……と思ったので2回目作ることはないかもしれない。