先端だけが技術じゃない
『白山と三田さん』を読む
万年筆、アナログだけどハイテク
カクノの万年筆をカラーペンがわりに愛用している。1000円ほどの価格なのにしっかりしたペン先で、コンバーターを使っていろんなインクを使える、可愛く便利な万年筆だ。
色を変えるため、洗って乾かしたカクノに新しいインクを補充する瞬間が好きだ。首軸のところが透明になっているので、ギザギザした軸の根元にインクが染みていくところが見える。毛細管現象。よく見ると、インクの浸透しやすさを調節するためか、根本からペン先の方に行くに従って刻みの幅が広くなっているのがわかる。万年筆なんて何十年も変わらないローテクな文房具かと思いきや、技術的にはかなり手成熟しているのだ。
こういうのって、万年筆以外でもしばしばある気がする。完成しているが故に、あえてそれ以上の進化を求められなかった道具。扇風機とかキーボードとかもそうかもしれない。
『白山と三田さん』
を、8巻まで読んだ。
シュールギャグの独特な空気感も、ちょっと変わってるけど魅力的で可愛らしい2人が少しづつ近いていく姿も最高。ジャンルとしてはラブコメなのだろうか。月刊Flowers系の作風かと思いきや、サンデー系列の連載と知って驚く。『正反対な君と僕』でも感じたが、WEB連載だとこういう変化球ラブコメも存在感放てるの、とてもいいな。