人の感想を検索してしまうと、自分の中にあった「感性」とでもいうべきものが無限に希釈されてしまう感覚を覚える。自分がその作品から受けた印象、好きなところ、キャラクターやストーリーへの解釈が、他の誰かの言葉と混ざって薄まっていく。ずっと続けていくと、自分だけのものだったはずのそれらが最大公約数的なものに変質してしまう。
こうなるともうおしまいだ。作品について語る当の自分の言葉に「なんか違うな」と思ってしまって、人に勧めるのも感想を述べるのも難しくなってしまう。
だから、「これは素晴らしい作品だった」と思うものほど、感想を見ないほうがいい。SNSもほどほどにしたほうがいい。と、経験的にわかってはいるのだけれど。
それでも、人がその作品をどう解釈したのかが知りたくて検索をやめられない。ジレンマがすごい。回避するにはどうしたらいいのか。先に感想を練りにねって、アウトプットして、その上で感想を追うしかないのか。